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「 みんな、おつかれさま。いい試合だったよ。 」
いつもみたいに龍樹さんは笑って俺達に言った。
それは何処か胸にぐっと。刺さるものがあった。
「 さてと…反省は後にして…みんなかっこよかったよ。 」
……勝つ気のない試合なんてない。
だけどこの試合は、どこかでみんなが「燕帝山が負ける。」
そう、思っていたのかもしれない。
相手は県内トップの強豪。
でも…それでも。
「 ホントですね…皆かっこよかったです 」
石井くんがくすっと笑いながら言う。
みんなその姿に唖然とするが音島くんや節くんも笑い始める。
「 …そうじゃけんな…いつもでもクヨクヨしよると春高も散々な結果なるべ 」
三守さんがにっと笑いながら言う。
「 そうやな…負けたってまだ練習出来て、戦えるんやから! 」
輝さんもいつも通りに戻ってきた。
「 お、輝にしてはいいこというな 」
「 にしてはってなんや!! 」
紺さんの言葉にがっつくのもいつも通りだ。
「 …そうだね。春高で再チャレンジしようよ。それまでにしっかり強くなって。 」
五木はそういってジャージを羽織る。
いつもみたいにマイペースなのも変わらない。
「 うん。そう…やでな… 」
「 木萩くんはもっと頑張った!!って言って良いんだぞ?! 」
「 う、うるさい…耳元で叫ばんで… 」
木萩くんも…草ノ瀬くんも…いつも通りだ…
「 ほら、貴方も頑張ったでしょ?辰美さん? 」
漱が俺の背中をポンと叩く。
「 まぁ…楽しかったよ。ありがと。 」
「 んだよぉ。そんな急に。 」
みんな、みんな変わらない。
変化しないといけないものだと思ってたけど。
変化して欲しくないものもある。
そう、気付いた。