テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

部長と私の秘め事

一覧ページ

「部長と私の秘め事」のメインビジュアル

部長と私の秘め事

215 - 第215話 クローゼットに入っていたのは

♥

82

2025年01月26日

シェアするシェアする
報告する

「……チッ、『うん』って言わせようと思ったのに……」


「やり方がせこいんですよ。消費者を騙すようなやり方をしてたら、消費者センターにいいつけますからね。そのうち『※個人の感想です』みたいなこと言ったりして」


「朱里を毎日抱くと風邪を引かない。……※個人の感想です」


「ほら始まった、尊さんの悪ノリ……」


私はしかめっつらをしてから噴き出し、尊さんも一緒になって笑う。


そしてまた穏やかな雰囲気に戻った私たちは、たわいのない会話をしながら食事をした。






「じゃあ、私一度帰ります」


食事と片付けを終えてシャワーを浴びたあと、歯を磨いた私はコートを着ようとする。


「なんで?」


「え? なんでって……。着替えないとなりませんし」


目を瞬かせて返事をすると、尊さんは「ちょっと君、来なさい」と言って私の手を握り、歩いていく。


着いたのは私に宛がわれた部屋で、彼が何をしたんだか分からない私は、立ち止まって首を傾げる。


「クローゼット開けてみ」


「はぁ……」


室内のクローゼットは、壁の一面をまるまる使った豪華な物だけど、そこにはルームウェアぐらいしか入っていないはずだ。


(なんじゃろ)


白い折れ戸を開いた私は、「ん!?」と目を見開いて固まった。


クローゼットの中には、見た事のないレディースの服が沢山掛かっていた。


「朱里の大体のサイズは把握してるから、うちに泊まった時でも着替えに戻らなくて済むように、ある程度の物を揃えておいた」


「ほええ……」


私は呆然としつつ、手近にあったブラウスを見てみた。


鮮やかな花柄のブラウスはめちゃくちゃ私好みで、某GGマークの物だ。


他にも白いボウタイブラウスやシンプルなトップスもあり、さらにスカートやワンピース、アウターなど、私の好みドンピシャなアイテムが揃っていた。


お洒落着だけでなく、カジュアルなトレーナーやパーカー、ジーンズもあり、ルームウェアやパジャマも揃っている。


服だけでなく、隅にある引き出しにはやはり私が普段好んで来ている色味のセーターやベルトなどもあり、未開封のシューズボックスやバッグの入った箱も積まれてあった。


「はああ……」


溜め息をついた私は、眉を下げて尊さんを見る。


「……初孫を喜ぶお爺ちゃんみたい……」


「おい! 第一声がそれか!」


尊さんは思いっきりガッカリした顔で、私に突っ込みを入れる。


「総額幾ら掛かりました? どれもブランド物ですし……、むぐ」


そう言った途端、尊さんが私の顎を掴んで親指を唇に押しつけてきた。


「躾その一とその二は?」


クリスマスデートの時に言われた事を尋ねられ、私はおずおずと返事をする。


「値段を気にしない。遠慮しない」


「Exactly」


尊さんはあの時と同じ返事をし、私の肩を抱いてくる。


「好きな女に自分の買った服を着せるって、やってみたかったんだよ」


「アカリちゃん人形ですか……」


私は彼の胸板に顔を寄せ、苦笑いして言う。


「まだ少ししか買ってないし、朱里の手持ちも入れたいだろうから、これからデートを重ねて服を買っていこう。アクセサリーや帽子とかもだし、……下着もな」


「もう……」


私は真っ赤になって文句を言いながらも、彼の体に腕を回しギュッと抱き締める。


「あんまり甘やかすと、あとが怖いんですからね?」


「無添加の最高級カリカリも用意しておく」


「だから猫じゃないですって」


ポンッと尊さんの胸板を叩くと、彼はクスクス笑う。


「ま、キャットタワーはホテルや旅行先のタワーで我慢してもらって、爪とぎは……、ここな」


そう言って、尊さんは私をギュッと抱き締め、手を背中に回させる。


行為中に気持ちよすぎて爪を立ててしまった事を思いだし、私はカーッと赤面した。


「せっかく美人猫を手に入れたんだから、下僕として世話を焼かせていただきますとも。朱里の綺麗な毛並みのためなら、何でもする」


尊さんは優しく微笑むと、私の手をとって甲に口づけた。


「……も、もぉぉ……」


照れて赤面した私は彼の胸板に額をつけ、グリグリと顔を押しつける。


「……じゃあ、せっかくだから服、着させてもらいます。……あ、ありがとうございます……」


「OK。……よし! 元彼に会いに行くのに、イマカレが贈った服を着る彼女、最高!」


明るく言った尊さんの言葉を聞き、私はガクッと脱力したのだった。




**

部長と私の秘め事

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

82

コメント

3

ユーザー

アカリンなら着せ甲斐がありそう....😍💕 朱里ちゃん人形ごっこ、楽しそうだね~⁉️ねっ?ミコティ....🤭❤️

ユーザー

ミコティはどんな下着ランジェリーを選ぶのかしら( *´艸`)フフフ💜

ユーザー

アカリン🐱毛並み良さそう(笑)ฅ(˙꒳˙ฅ)にゃあ💕

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚