テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「なあ、そろそろ本気になっていいか?」「え?」
借りていた槙野のパジャマの上から尖っている胸の先に槙野がつん、と触れる。美冬はぴくんと身体が揺れた。
美冬はつい槙野をじいっと見てしまう。
「ん?」
なにか言いたいような気もするけど、うまく伝えられなくて潤んだような目で見ることしかできない。
それを見てふっと笑った槙野は、美冬の尖りに何度も触れる。
つい、声が漏れそうで美冬は口元を手で覆った。
「感じる?」
多分この感覚がそうなのだ。
こくっと美冬は頷いた。
「さっきからツンって尖っててすごく可愛くて触りたくて仕方なかった」
槙野はそれを指でつまんだりくりくりといじったりする。
それに応じて美冬のその部分がどんどん敏感になって、その指の感覚をすごくとらえようとしている気がした。
「んっ……んー…」
唇をぎゅっと閉じたままの抑えられない声はそんな風になってしまう。右手で口元を覆って、左手はぎゅうっとベッドのシーツを握り締めていた。
「声、出してみろ? ん?」
「や……」
抵抗のはずなのに、妙に甘い声になってしまって美冬はそんな自分に戸惑う。
さっきの軽いキスなんて何にもしてない、と言ったのが分かるような気がした。
するりと槙野の手がパジャマの中に入って美冬の肌に直に触れる。
脇腹、肋骨を辿って胸の下にふわっと触れた。
「っあ……」
今度こそ声をこらえることはできなかった。
「うん。もっと聞かせろよ」
布の上から先端を軽く咥えられる。
布越しにゆるく舐めるその感覚はもどかしいのに、美冬は敏感に感じてしまった。
「あっ……あ、や」
「胸、すごく感じるみたいだな」
そんな風に口にされたらまるで淫らだと言われているかのようで、美冬は泣きそうだ。
「ん……ぅ」
「感じていいんだって。美冬が感じてくれたら俺は嬉しいよ」
「本当? 淫らだって、思わない?」
「淫らになって乱れてくれたらすげー興奮すんだけど」
「も……お……」
その時指先で先端をピンとはじかれて、美冬は反論できなくなる。
「やんっ」
「美冬ってやっぱりお嬢様なんだな」
「え?」
「淫らになれって言ったって、戸惑いながら感じる姿すらお前は品があるよ。いつもはポンポン言葉が帰ってきて元気なのに、こんなことになると恥じらうのは、すごくいい。もちろん淫らになってかまわないんだけど、恥じらっている様子にもすごく興奮するんだがな」
口ではそんなことを言っているくせに、美冬の肌をまさぐる様子には一切容赦はない。
「いや、とかどうしようって戸惑っている美冬をとろとろにしたらって想像したらそれだけでも興奮する」
「自分は慣れてるからって……余裕ぶって!」
「余裕ではないんだが……触ってみる?」
触って……? なにに?
気軽に美冬の手を取った槙野は主張しているそこに美冬の手を当てる。
「ふにゃっ……!!」
「なんつー声だよ」
(は、初めて触った! 固い! 熱くない? それに……)
「おっきい……」
なんか今、さらに主張してこなかった? 生きてるの?
よく分からないけど、大きさを確認してみたり、形を確認してみたりするのに割としっかり触ってしまったかもしれない。
「美冬~~……」
ん?
槙野が髪をかき上げて少し赤い顔をしている。
「お前、人の大事なところを撫でまわすか!?」
「ごめん! なんか珍しくてつい……」
ブチっと何かが切れる音がしたような気がした。それくらい槙野の表情が変わったのだ。
「要するにコレがお前の中に入るわけだな」
「え、無理」
即答する美冬である。
「てかどこに? どこにも無理だよ?」
知らないわけじゃない。知ってはいる。
けれどそんな質量の物が入るなんて無理な気がしたのだ。
美冬の上にいる槙野がにやりと笑い、美冬の下腹部の辺りをパジャマの上から手のひらで触れた。
「ここだよ」
「そんなの……無理」
「入る」
きっぱり言われて美冬は無駄な抵抗を試みる。
「無理……」
段々声が小さくなってしまう美冬である。
「無理じゃない。入る」
まあ今すぐ? ぶち込んでやってもいいんだけど?
そんなことを言う槙野に美冬は槙野の腕をつかんで涙目でふるふると首を横に振った。
「しねえよ」
美冬が怖がっているのを楽しんでいるようにも見えるのだ。
「それでもさっきは結構感じていたからな」
槙野は美冬のパジャマの下に手をかける。美冬はそれをぎゅっと握って下げさせまいとした。
「だから、痛くしねーって」
「違うのよ、そうじゃないの。さっき、下着を洗濯していいって言われたから、その……脱いで下着は洗濯機に……」
「へえ……エッロ……」
槙野はかえって目を光らせる。
「じゃあ、この下はなにも履いていないわけだ」
「言わ……ないで」
「やば、美冬って本当に煽り上手だな」
煽ってない! 煽ってないから!
「脱がなければ感じさせられないと思っているところが甘い」
槙野が美冬を見る目がさらにきらりと光ったのだ。それはまるで肉食獣が草食獣をいたぶる時のようでひどく楽しそうなのだった。
──助けて食われるっっ!