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「それを気付かせてくれたのは透子のおかげ」

「私?」

「そう。透子を好きになったから、そんな気持ちがあることを知ったし、親父たちのそんな気持ちも理解することが出来た」

「そっか・・・」

「だから、透子がいなきゃ、まだオレは親父に対してもこんな素直な気持ちになってないし、親父と母親のそんな二人の気持ちもきっと一生わからなかった」

「じゃあ。私が樹と出会った意味そこにもあったね」

「実際透子と出会った意味は、もっといっぱい山ほどあるけどね。これは、その中のほんのひとかけら」

「うん。そうだね。多分数えきれないね。出会った意味なんて」

「そう。そのほんのひとかけらでも、オレにとっては宇宙ほどデカいひとかけらだから」

「えっ、それめちゃ大きすぎるんだけど(笑)」

「だって、それくらいの影響力、透子はオレにくれてるから」


樹は照れることなく、まっすぐ見つめて、自信ありげに微笑みながら伝えてくれる。

樹はそんな言葉もちゃんと伝えてくれる。

なんの抵抗もなく、照れることもなく。

だから、その言葉をもらえたことで、私も自信をもらえる。

まっすぐな樹に、私もちゃんと向き合って、素直な気持ちを返したいって、そう思えるから。


「ありがとね。樹」

「えっ、何が?」

「私と出会ってくれたことも。樹の全部何もかも」

「それ言うならオレの方でしょ。オレと出会ってくれて、オレを好きになってくれてありがとう」

「私の方こそ。ってもう終わんないじゃん(笑)」

「ハハ(笑) あー!でもスッキリした!親父と母親のこともちょっと気になってたから、透子に聞いてもらえてよかった」

「うん。話してくれてありがとう」

「それにこの場所もさ、透子に見せたかったんだよね。オレが力もらえてる特別な場所に、透子連れて来たかった」

「嬉しい。そんな特別な場所に連れて来てもらえて」

「特別な人を特別な場所に連れて来るのは当然でしょ?」

「うん。特別な人といたら、全部特別な場所になる」


樹と一緒の場所なら、どこだって特別になる。


「でもこれで透子も安心して?」

「ん?何が?」

「会社の皆にこれでオレたちの関係バレたワケだし、これから堂々としてくれたらいい。オレの婚約者として、オレの大切な人だってこれで皆に自慢出来る」

「うん。わかった」

「何があってもちゃんとオレが守るから」

「うん。頼りにしてる」

「おぉ。任せとけ」


こうやってお互い笑い合ってるこの時間が幸せで。

これからは隣にいるこの頼りがいある彼にすべて任せるだけ。

これからは隣で彼に守ってもらえる幸せを味わっていこう。


「じゃあ、そろそろ戻ろっか」

「うん。樹、今日はまだこのまま会社いるの?」

「いるよ。今日はこのままやることあるから。透子、今日残業は?」

「今はそんな忙しくないから普通に定時で帰るつもりだけど」

「なら、それまでに仕事終わらせるから、一緒に帰ろ」

「一緒に帰れるの?」

「でさ、帰りに修さんとこ寄ってかない?オレたちのこともちゃんと二人で報告しておきたいし」

「あっ、そだね。そうしよう」

「なら、また終わり次第連絡するわ」

「わかった。じゃあまた帰りね」


そっか。二人の仲をちゃんと公表したから、堂々と待ち合わせて一緒に帰れるんだ。

そんな当たり前なことも今までは出来てなかったんだなと気付く。

そして、そんな当たり前の幸せをこれからは一緒にたくさん過ごしていけることに、また幸せを感じた。


これから、当たり前の日常を一緒に過ごせる幸せ。

いろんな当たり前をこれからたくさん一緒に重ねていこう。

今まで出来なかった当たり前の幸せを。

これから今までの分の幸せを。






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