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俺たちは言われた通り、ベレー帽を探すことにした。
⚡️「そういやさっき店出る時にメモ渡されたんだよな」
👾「え?そうなの?」
そういってメモ用紙を広げた。
「店を出て向かい側に建っている3つの店のうちのどこかが回収している」
確かに目の前には3軒の店が建っていた。
彼女の落とした帽子はこの内のどれかの店主が回収してくれているみたいだ。
そうとなれば話は早い、1件ずつ聞いて周ろう。
ガラガラ
👾「失礼します〜」
「いらっしゃい」
ここは古具屋のようだ。
かなり年老いた店主が接客してくれた。
👾「すみません、この辺で黄緑のベレー帽を拾いませんでしたか?」
さすがに質問がいきなりすぎたかもしれない。
「ベレー帽?そんなもん見とらんわい。」
👾「そうですか、すみません。」
そう言って店を出ようとした。
「待たんか!」
店主が急に大きな声をあげた。
いきなりすぎて心臓が飛び跳ねた。
👾「は、はい!?」
「お前さん、まさか何も買わずに出ていくつもりじゃなかろうな?」
そう聞かれてふと気づいた。
確かに何も買わずに質問だけして店を出るなど失礼極まりなかった。
申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
👾「あっ、すみません。買っていきます!!」
さすがにこのまま無視して店を出る気にもならなかったので買い物をして行くことにした。
しかし、今の手持ちはたったの300G。
そこまで良い商品は買えないだろう。
外であいつも待ってるし早く済ませないと。
店の中をうろうろ見て回っていると、ちょうど300Gのサブマシンガンが売っていた。
👾「おっ、これいいじゃーん。」
とりあえずこのサブマシンガンを買うことにした。
「まいどあり」
これで安心して店を出られる。
⚡️「やっと出てきたか、遅せぇよ。」
👾「ごめんごめん、買い物してたら遅くなった。」
⚡️「なんで買い物なんかしてんだよ、帽子はあったのか?」
👾「いや、あそこにはなかった。買い物は半強制的に…。」
⚡️「そうか、次は俺が行ってくる。」
そう言ってあいつは隣の店に入っていった。
👾「そういやあいつの名前聞いたことないぞ?なんて名前なんだ?」
俺は今まであいつの事を名前で呼んだことがなかったから違和感に気が付かなかった。
あいつと出会ってから1度も名前を尋ねたことすらなかった。
👾「これから一緒に旅をするのに名前を知らないのはさすがにまずいよな、出てきたら聞くか。」
そんなことを考えていると店から出てきた。
⚡️「すまん、ここにもなかったわ。」
👾「そっか、じゃああとは隣の店だけだね。」
⚡️「あー…その隣の店の店主がどうも妙な奴らしくてな。今行ってきた店の店主が教えてくれたんだ。」
👾「おかしいってどんな風に?」
⚡️「人間じゃないらしい。」
👾「え?」
人間じゃないってどういうことだよ。
そんなことあるの?この世界では当たり前なのか?
⚡️「まあとりあえず行ってみようぜ。」
👾「あー、うん。」
やべぇ!!!名前聞きそびれた!!!
バタッ
「イラッシャイマセ」
言われた通り人間じゃなかった。
👾「まじじゃん。」
⚡️「だから言ったろ。」
「ン?!ニンゲン!!!」
そう放った途端、店主らしき生き物がこちらに飛んで来た。
👾「え、なになになになになになに」
ベタッ
その生き物は綺麗に地面に着地した。
赤色のスライムのような生き物だった。
頭には黄緑のベレー帽を被っていた。
⚡️「お前、その帽子、この辺で拾っただろ。」
「ソウダゾ!ホシイノカ?」
⚡️「やっぱりな。欲しい、早くよこせ。」
相手がスライムだからって妙に上からだな。
「イイゾ!ソノカワリソイツノ目玉ヲヨコセ!」
そういってスライムは俺の事を指した。
👾「え?俺?目玉?」
「ニンゲンノ目玉ハタカクウレル!」
⚡️「お前にやるわけないだろ、はるー早く店から出るぞ。」
帽子を奪って逃げようとした。
「ソンナコトサセルカ!」
なんと炎を吐いてきた。
👾「あっつ!?あつい!!あつい!!」
俺に直撃した。
めちゃくちゃ熱い。現世で夏に風呂に入った時と同じ感覚だった。
いやそれよりは熱いか。
「ニゲルナラチカラズクデウバウマデダ!」
そう言って口から大量の炎を吐く。
俺たちはもう瀕死状態だった。
バタッ
🍯「大丈夫?!なんの騒ぎよ!」
この異様な状況を見て、はにけーきさんが駆けつけてくれたようだ。
👾「助けてください…」
🍯「待って!銃、店に置いてきちゃったよ!?」
なんてことだ。
なんとも不運だ。
…あっ、そうだ。さっきサブマシンガン買ったんだ。
👾「はにさん、これ使って。」
🍯「サブマシンガン?!ナイス!!!」
はにけーきさんはサブマシンガンを両手に構えてスライムに撃ち放った。
「ウバババババババ」
スライムを倒した。
⚡️「回復してやるよ、ヨシヨーシ!」
何か魔法をかけられたのか?
身体の傷が消えた。痛みも無くなった。
👾「なにこれすご。」
⚡️「だから俺、僧侶なんだって。これは回復魔法さ。」
👾「なるほどね、ありがとう。」
にしても魔法の名前、ダサすぎないか。
👾「はにさん!さっきはありがとうございました!!」
🍯「大丈夫だよ、危険な目に合わせてごめんね。帽子見つけてくれてありがとう。」
👾「いえいえ!!これで一緒に旅に行ってくれますか?!」
🍯「もちろんだよ、ありがとう!」
はにけーきさんは俺たちの仲間として加わることになった。
とても心強い、嬉しいな。サブマシンガン返してもらってないけどね。
あっ、そうだ忘れてた。
👾「ねぇ、お前名前なんて言うの?」
⚡️「え?俺の名前?教えてなかったっけ?」
👾「うん、1回も聞いたこと無かった。」
⚡️「そうか、俺の名前はマナト。」
👾「マナトね、ありがと。」
やっぱりどこかで聞き覚えがある…。
絶対こいつのこと知ってる気がするんだよな…。
🍯「とりあえずこの村から出ようよ。」
⚡️「そうだな。」
村を出ることにした。
仲間が増えたことだし、戦闘面では有利になったと思う。
俺の旅はやっとスタートを切ったところだ。