学校に着いて一息つくとクラスメートが一目散にぼくのところに来た。
「おはよう!」
「お、おはようございますー」
たまにしか喋らない人だからついつい人見知りが出てしまう。
「はい、バレンタイン!」
クッキーか。確か『友だちでいようね』という意味だったはず………。うん。
その後もぼくは道行く女子たちからチョコを貰った。一部つまみ食いしたけどめっちゃ美味かったにょ。ちなみにその場で全てお返ししました。
………
授業はほぼ実技ばかりだった。正直欠伸が出るほど暇だった。んで今昼休み。現在地は食堂。ユズによれば、この学校は便所飯でも食堂で定食食べるのもありらしい。けど、弁当作るのがめんどくさいから食堂で定食食べる。たまに便所飯すれば良かったと薄々思う時もある。
昼飯を食べ終え、暇つぶしに運動場に来た。
多分全校生徒の4割くらいはいるだろう。
(てかどこでダンスの練習しよ………)
もう少し早くに来れば良かったと思う。そう後悔していると、
「おーーーい!!」
うっ……この騒音は…………コネシマか。
「お前海野芽郁だよな?」
いや唐突にそれ聞く?失礼だよ?
「はい、そうです。」
するとコネシマは目は輝いていた。
「ならお前さんが新入団員か!!」
いやお前の後輩はいるやろいっぱい。どっかの誰かさんには恨まれているけど。
「俺、水上孝行!よろしく!!」
「い、イカよろしく~(汗)」
周りの女子の視線がものすごーく痛い。やっぱりスポーツマンっていうこともあるし、視聴者の言ってた通り、イケメンやないかい。やっぱ体育会系はモテるんだなぁ。すると、コネシマが言った。
「芽郁ってさ、サッカーできるん?」
サッカーかぁ。中学の頃警備員を撒くために人形の頭をボール代わりにして蹴ったことはあるけど………。あれは経験に入りますか?
「まぁ、一応………」
ぼくは不安ながらそう言い、リフティングを10回やった。ぼくの周りはいつの間にか拍手で溢れかえっていた。
「すげぇ!!見かけによらず、運動神経バツグンやねんな!!!」
と言い、ぼくの肩に手を回した。
「コネシマさんは見た目通り力強いので手加減してくださいな。」
「あぁ、それはすまんな。」
あれ、意外と素直。
(な~んか壁から視線感じるなぁ………)
ぼくはすぐ近くの壁を見た。コネシマもぼくのマネをしてすぐ近くの壁を見た。それを見た瞬間、コネシマは一気に青ざめた。それは閲覧者の皆様お分かりであろう、クソ猫です。
(妖怪変態ロリコン野郎………)
「コネシマさんとサッカーして楽しそうやなぁ~~」
「別に楽しくなんてないねんけど」
(クソ猫のオーラから思ったより怨念がおんねんけど………。妖怪か何かで間違いないだろう。)
さっきまでニコニコしていたコネシマは、焦るかのように、
「じゃ、じゃあ俺はこれで!じゃあなショッピくん!!」
と走り去って行った。
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