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人間・・・もとい咲綾は魔女・ハクの手を引き自宅へ向かう。
サヤの家に行くのに時間はかからず3分ほどで到着した。
咲綾の家は二階建ての家だった。
「ここが、あたしの家(うち)」
初めての来客の訪問に声を弾ませる咲綾。
一方、人間の家を初めて見たハクは
(へー。人間の家って私たちの家より小さいのね)と思っていた。
「さぁさぁ、ぼーっと見てないでどうぞどうぞ」
咲綾はハクの両肩に手を置き、家の中へ促す。
「ただいまー!」
咲綾が言いながら片手で戸を開ける。
二人で中に入ると若めの咲綾と似た髪色の女性がこちらに歩いてくる。
「おかえり咲綾、あれ?こちらは?」
「お客さん連れてきたの!」
「あ、そうなのね。今飲み物用意するわね!」
そう言って女性はカーテンのある部屋に移動した。
咲綾がハクに小声で女性を紹介した。
「あたしのママ、若くみえるでしょ?」
「え、えぇ・・・」
ハクは目を丸くして驚いていた。
ハクと咲綾は階段を上がって、二階の咲綾の部屋で飲み物がくるのを待つ。
「さぁさぁ、ようこそあたしの部屋に」
テンションの高い咲綾の声に、ハクは小さく笑いをこぼす。
咲綾の部屋はベッドと机とテレビ、それと小さなテーブルがある割とシンプルな部屋だ。
ハクは床に座り、咲綾はベッドの縁に座ると咲綾が質問した。
「で、なんであそこにいたの?もしかして家出とか?」
無邪気で幼い少女のような声には合わない質問がきた。
ハクは慌てるように「違う、違う」
と否定する。
そして自分が隣町から来たこと、自分は勉強のためにこの町にきたということを説明した。
それを聞いた咲綾は、先ほど質問したときよりももっと笑顔になって、ハクの横に座り。さらに質問した。
「じゃあ、ハクも魔女なの・・・?」
ハクは声も音も出さないという雰囲気で頷いた。
咲綾も何かを察したのか、声を出さずに喜んでいた。
「随分楽しそうねー」
飲み物を持ってきた様子の咲綾の母の声が聞こえた。
「は、ママごめん!」
咲綾が戸を開けると緑茶を持ってきた咲綾の母が立っていた。
「はーい、お待たせ。どうぞごゆっくり」
お茶を置きながら咲綾母がいった。
「サヤのママさん、ありがとうございます。ご挨拶が遅れました。白亜といいます。」
家に入った時に忘れていた挨拶をハクが言う。
「どうもご丁寧に。サヤのママの藤乃です。ハクちゃん、娘をよろしくね。」
藤乃はふふふ、と笑いながら部屋を出ていった。
ハクはその日咲綾と藤乃の質問責めに追われ、晩御飯をご馳走になり、ハクの部屋に泊まった。
翌日から、学びの拠点が決まるまでそうそう時間はかからなかった。