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ー私はいつか貴女を忘れてしまうー

今日も何時もの部屋で目を覚ます。何時もの友達と学校で駄弁って帰りにスタバに寄って遅くまで遊んで帰る。親の小言を「はいはい」と受け流して寝支度を済ませてベッドの上で友達と通話する。そんな代わり映えのしない日々を過ごしている。

「てか最近昔の記憶が全くといって良い程覚えてないんだよね」

「え?この歳で物忘れとか…お婆ちゃんじゃんw」

「うるさいなぁw…でも本当に昔の記憶無いんだよね」

「じゃあこれ覚えてる?」

そういって見せられたのは一週間前の文化祭の写真だった。

「ちょ、流石に覚えてるんだが?馬鹿にしてんのかよ~」

「あ、流石のお婆ちゃんでもこれは覚えてるかw」

「お婆ちゃん呼びや~め~ろ~w」

たかが一週間だが懐かしく感じてしまう。

「放課後残って三人で小道具作ったの楽しかったわ」

「え?うちら二人や無かったっけ?」

「いやいや、のんちゃん居たじゃん!」

「え~?…あー!はいはい!居たわ!」

「そんなのんちゃん影薄い?」

「まぁ、うちはあの娘と関わり無いし」

「ならしょうがないかぁ」

「おい、黒澤と鷲見!何してんださっさと帰れ!」

大きな声に驚いて振り向くと生徒指導の萩野が居た

「え~?萩T良いじゃ~ん」

「誰が萩Tだ!さっさと帰れ!」

「ちぇ~…愛帰ろ」

「う、うん!」

美琴に引っ張られ学校を後にすると外はもうオレンジ色に染まっている。

「あ、うちバイトじゃん…行ってくるか~」

「そっか~じゃあね!」

「一緒に帰れなくてごめ~ん!」

黒澤美琴は自転車で速度を出して向かっていった

「ごめ~ん!待たせて」

「あ、のんちゃん!大丈夫、私もさっき学校出たから」

「えぇ!なにその言い方~あれじゃん!彼氏が来た時に早めに来てた彼女が彼氏に言うやつじゃん!」

彼女は神谷望、小学校からの友達で高校では別のクラスだが、今も仲良くしている

「ネットの見すぎじゃない?」

「え”ぇ”~…そうなのかなぁ」

「じゃあ帰ろっか!」

「でもあんた徒歩で私自転車じゃん?」

「大丈夫!こうすれば良いから」

愛は望の自転車を停めて勢いよくキャリアの部分に飛び乗る。

「あー!やっぱこれ飛び乗ると痛いね~」

「あんた馬鹿ぁ!?」

「まぁまぁ、ほら!ちゃんと乗れてるよ!」

望は「そういう問題じゃないんだよなぁ」とでも言いたげな顔でこちらを見つめてくる

「てかニケツすんのぉ?危なくない?」

「まぁ良いじゃん!しっかり捕まっとくからさぁ」

「せめてヘルメット被って!」

そういって望は自転車の籠に入れてあったヘルメットを愛へ突き出してくる。

「え?でもさぁ、私が被ったらのんちゃんのヘルメット無いよ?」

「あんたが怪我するよりはましだから!大人しくそれ被っとけ」

「はーい!」

「しっかり捕まっててよ!準備はOK?」

「大丈夫!」

その返事を聞くと望は坂を勢いよく下り始めた。

「気持ち~!さいこー!」

「本当にちゃんと捕まっといてよ!」


「あぁー!楽しかった!」

いつの間にか愛の家の前まで自転車をこぎ終わっていた。

「あたしゃあんたを乗せてるから内心ヒヤヒヤしたよ」

「いやぁ、送ってくれてありがとね!何やかんや言って結局やってくれるのがのんちゃんの良いところだよね!」

「って!それただのパシリじゃねぇか」

「アッハ!バレちゃった?」

「ったく…次は自転車で送らないからな!」

「えぇ~!楽しかったのに」

「安全最優先!ほら、寒いし暗くなるからさっさ帰りな」

「しょうがないな~…今日はこんなところで勘弁してやるよ!」

「やかましいわ」

「のんちゃんも気をつけて帰ってね~」

「言われなくてもそうするわよ」

そういって望は帰って行った。それとほぼ同時に愛の父親が帰って来る。

「あ、パパお帰り~!」

「あ、え、わぁ」

「え?パパどうしたの!?」

「お、お前にも遂に彼氏が…」

「違う違うw友達だって!取り敢えず寒いから中で話そ?」

「愛に彼氏が…」

「違うって言ってるでしょ!」

二人とも中に入りテーブルで向き合う。鷲見卓也は完全に落ち込んでいるようだ。

「取り敢えず!あれはのんちゃんだって…パパ見たこと無かったっけ?」

「え?のんちゃんって神谷さん家の望ちゃん?」

「なんかパパがちゃん付けでのんちゃんの名前言うとキモいな」

「え、酷い…パパ傷ついちゃった」

「パパそれ友達の前でやらないでね?恥ずかしいから」

「まぁ、それはそうだよね…にしても望ちゃんでかく成ったなぁ…昔は愛より少し低かったのに」

「望ちゃん呼び止めてよ…てか私の方が大きかったっけ?」

「他に呼び方が無いからしょうがないだろ…取り敢えず着いてきて」

「はぁ、しょうがないかぁ」

鷲見卓也に着いて行き、愛は和室へ向かった。

「あったあった、こんぐらいだったよ」

鷲見卓也は和室の柱には当時の身長が記してあり、柱には二つ数字があった。

「あれ?もう一つの数字は?」

「望ちゃんのだよ」

「え?なんでのんちゃんのあるの?」

「昔遊びに来てたときになぁ…」

そこからは鷲見卓也の昔語りが続いた。遊びに来ていた時に愛の記録を見つけて二人で身長を競いあっていた事、望がずっと悔しがっていたことも教えてくれた。

「へぇ…そんなことあったんだ」

「懐かしいなぁ…なんか、涙出てきちゃったよ」

「なんで泣くんだよ~w」


時刻は夜の八時半、愛は望と通話していた。

「のんちゃ~ん」

「はいはい何でしょう」

「ちゃんと帰れた?」

「当ったり前よ!寄り道せずにお家へ直行よ」

「なら良かった」

「え?それだけぇ?」

「う~ん…あれがあるよ」

「あれって何よ」

「昔のんちゃんが身長低くてずっと悔しがってた話とか?」

「………」

「あれ?のんちゃ~ん?」

数秒の無言の後、一気に騒がしくなる。

「あれ覚えてたのかよぉ!え”ぇ”~てっきり忘れたと思ってたのに!ちょー恥ずかしいんだけどぉ!」

「アッハ!今日のんちゃんが帰った後にパパ帰って来てさ、私に彼氏が~とか騒ぎ始めてさ、流れで昔の話になって身長の話も出たって訳」

「マジかぁ…まぁね?今は私の方が身長高いから」

「それはマジでそう」

「つまり私の勝ちってわけ!」

「はいはい、そうだねーのんちゃん勝ちだねー」

「なぁんでそんな棒読み何だよぉ!」

「本当にのんちゃんは可愛いねぇ」

「おい、その子供を見るような目はなんだ!」

「なんで通話なのに解るんだよw」

「おまえはそんなやつということは解っているから」

「えぇ~?ちょっとキモいよのんちゃん」

「キモいって何だよぉ!こちとら小学からの友達やぞ!」

「アッハ!やっぱのんちゃんとの通話は飽きないね」

「お褒めに預かり光栄ですよっと」

「望~?明日も学校だから速く寝なさ~い!」

望の母親の声が向こうから聞こえる。どうやら時間のようだ。

「あー…時間だからまた明日だね」

「そっか…じゃあね!」

「あ、まって」

「ん?何々?」

「明日何時に出んの?」

「いつも通り七時十五分位かな?」

「七時十五分了解…じゃあね~」

「え?なんだった」

通話が切れる。

「え~?何なんだよアイツ…」

いつか忘れてしまう貴女へ

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コメント

5

ユーザー

新シリーズかぁ...何だろうなぁ..まだプロローグ的な段階なのにどこか漂う不穏感がフラグみたいになってて良き

ユーザー

月曜日が来るたびに記憶がリセットされるやつがあったような気がするが、こっちはどっちかというと記憶の老朽化って感じがする......認知症?

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