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1. 最後の出会い
「乱歩、君は――まだ、誰かを信じることができるのか?」
ポオの声が静かに響く。
彼の瞳は、まだ冷たく硬い。だが、心の中に残るものは、確かに温かい。
乱歩は、何も答えない。
その手が、ポオの顔を触れる。
それは最後の優しさだった。
「信じてるよ。君を。」
その言葉は、ポオの心に深く染み込んだ。
だが、二人が何度も繰り返してきた「誓い」が、いよいよ破られる時が来た。
2. 再びの敵
その日、彼らは《レム》の残党――最強の人造異能者たちに囲まれた。
その目的はただ一つ。
ポオと乱歩の“完全な消去”。
「お前ら、僕を殺してどうするつもりだ?」
乱歩が冷笑する。
だが、その笑みには、もう何も宿っていない。
「お前たちは、僕らをどうしても殺したかったんだろう?」
ポオも無感情に続ける。
だが、敵の目の前で、二人はもう、かつてのように**“敵を倒す”**ことには興味を失っていた。
「何も、守るものはない。」
乱歩が呟くと、ポオも同じように、肩を落として歩き出す。
その背中には、「恐れ」も「希望」もなかった。
ただ、もう無意味に何もかもを背負うのが怖いから——
それでも、ポオが乱歩に向けて最後の言葉をかける。
「君が望むなら、死ぬよ。」
3. 死の先にあるもの
何もかもが崩れていく。
彼らの命を奪おうとする敵が、最期の一撃を放ったとき。
ポオの異能が、ようやく完成形を迎えた。
その瞬間、ポオの中で無数の感情が一つに収束する。
そして、それをすべて放つことで、乱歩が解放される。
「君を――俺は、もう一度守る。」
その一言が、二人の全てを覆す力を持った。
ポオが異能で過去の記憶を消し去り、感情そのものを再構築する。
そして、**乱歩の“死の呪縛”**を解くことに成功する。
「でも、俺はお前を殺さなければならないんだ。」
乱歩の瞳が歪む。
彼の感情が暴走し、ポオを排除しようとする力を振り絞る。
だが、ポオはもう、その力に屈しない。
「愛すること、怖くない。」
その瞬間、ポオの身体が光を放ち、最強の異能を解放する。
4. 彼らの最期
死を超えた先に、彼らの愛が待っているのか?
全てを放棄し、最強の力を目の前に突きつけられた二人。
だが、ポオと乱歩は、何も言わずに手を握りしめた。
「一緒に、行こう。」
その瞬間、世界が崩れ、二人は新たな世界へと消えていった。
それは、もう戻れない場所。
死後の世界だった。
5. 新たなる始まり
そして、その先に残るのは——
愛という形ではなく、**「絆」**という不変の形。
二人の記憶は、もはや無くなった。
だが、**心の中には、確かに残り続ける「二人の痕跡」**が。
「乱歩、俺たちは、またどこかで出会うんだろうな。」
ポオの目には、今までの恐怖も、苦しみも、もうない。
乱歩の顔も見当たらないけれど、彼の存在は、深いところで感じていた。