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時は過ぎ、学校祭1か月前。恵奈々は音楽室で、学校祭のライブ本番に向けてのピアノの伴奏に合わせて歌の練習をしていた。

「失礼します。池田恵奈々さんはいますか?」

恵奈々はちょうど、ライブでの披露予定曲「My truth Love」のサビを練習していた時だった。恵奈々は慌てて声の主の所へ向かう。

「ぇ…。」

恵奈々は思わず声を漏らした。そこに立っていたのは、なんと亮だった。

「俺も、クラスの出し物のライブの主役を務めることになったから。よろしく」

え、待って…。これって…。

「両想い!?」

「は、はあ…。え?」

恵奈々は小学3年生の時から亮に片思いをしていた分、やっと両想いになれたと思っていたが、これもまた、勝手な思い込みに過ぎなかった。

「別に、両想いじゃねーし。でも…」

「ん?」

「いや…、何でもねーよ」

亮はぶっきらぼうにそう言うと、そのまま逃げるように走っていった。

恵奈々は亮から受け取ったノートを抱きかかえて、いつもより大きく感じる心臓の音を聞いていた。

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