テラーノベル
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「……なつ、ミルクは沸騰させるなよ。すちが火傷するだろ」
背後から響いた、低く、凛としたどこか優しい声。
振り返ると、そこには漆黒のガウンを羽織ったLANが、眠たげながらも鋭い双眸を和らげて立っていた。
「わかってますよ、ボス。……ほら、すち。熱いから気をつけろ」
なつから手渡されたマグカップを、すちは萌え袖の両手で包み込むように持つ。
立ち上がる湯気が、冷え切った鼻先をくすぐる。
「……LAN、さん。……起こしちゃった、かな」
「いや、至宝(おまえ)が部屋にいないと、落ち着かなくてな」
LANはすちの隣、キッチンの高い椅子に腰を下ろすと、すちの細い肩を引き寄せた。
大きな、けれど戦い抜いてきた男の硬い手のひらが、パーカー越しにすちの背中をゆっくりと撫でる。
「……すち。お前、さっき『ここにいていいのか』って不安そうにしていただろ」
「……っ。……聞こえて、た?」
「あぁ。俺の耳は、部下の——家族(ファミリー)の泣き言には敏感でね」
LANは、すちの萌え袖から覗く指先を、そっと自分の大きな手で包み込んだ。
「いいか、すち。マフィアの世界ではな、一度手に入れた獲物は絶対に離さない。ましてや、自分から飛び込んできた『幸運』を逃すほど、俺は物分かりの良い男じゃないんだ」
LANが、すちの額に自分の額を寄せ、至近距離でその瞳を覗き込む。
「お前はもう、俺たちの色だ。……お前が自分を傷つけるたびに、俺の心にも同じ傷がつく。……それは、ボスに対する反逆だぞ?」
「……はんぎゃく?」
「そうだ。だから、もう自分をいじめるな。……お前の命は、俺が、俺たちが買い取ったんだ。……返却は、受け付けない」
強引で、けれどこれ以上ないほど「必要とされている」と感じさせる言葉。
すちは、喉の奥が熱くなるのを感じながら、温かいミルクを一口飲んだ。
「……わかった。……LANさん。……おれ、もう……いじめるの、やめるように、がんばる」
「あぁ、いい子だ。……さあ、なつの腕に抱かれて、朝まで夢も見ずに眠れ」
LANは満足げに微笑むと、すちの頭をポンと叩き、なつに「頼んだぞ」と目配せをする。
「……ったく。ボスはいつも美味しいところ持っていくんだから」
なつが苦笑いしながら、すちをひょいとおんぶした。
「……なつさん、あったかい。……LANさんの手、おっきかった……」
「……あぁ、そうだな。……もう寝ろ、すち」
夜の静寂(しじま)の中、すちは初めて、明日が来ることを「楽しみ」だと思いながら目を閉じた。
甘月 莉兎
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次回♥️100
コメント
5件
…すぎぃぃぃぃぃぃ リーダー、かっこいいっす! ゆらねちゃん!師匠にしてくださぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!
好きです付き合ってください()?