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「ねぇねぇ、さっきやばくなかった!?」
「あの人のさぁ、黒Tシャツに短パンを履いてる姿かっこかわよかった♡やばい好きすぎる」
僕はムイ。今は修学旅行中でコネコ城のホテルにいる。そして…恋バナ好きなクラスメイトと同じ部屋になったのだ。仲のいい関係ではないが、そこまで悪くもない。普段、誰とでも話せるが…実は恋バナが好きな人と話すのは苦手なのだ。
はぁ(ため息)
「そういえば、ムイちゃんって好きな人とかいる〜?」
さっきまではムイ抜きでお話していたのにいきなり名前呼ばれて僕は驚いた。
「んー、今はもういないけど、昔いた事はあったよ」
思わず嘘をついってしまった。とはいえ、嘘ほどではないなぁ。確か、あの人は転校して以来、僕が初めて好感を持った人ではあったから…あ〜懐かしい。でも思い出す度に心が痛む。それにもう何年もあっていないから、今では彼の顔すら思い浮かばない。
「え〜誰だったの〜?」
「う〜ん、アメ小出身の子は多分知ってると思うけど、ヤトマっていう子」
「あ〜、小5のハロウィン前に転校した狼男のヤトマくんね」
そうだったなぁ。ハロウィン前…でも彼が転校する前の最後のクラスレクではみんなで簡単な仮装してたなぁ。本当は良くないと思ったけど、なぜか先生は彼の提案に賛成していた。だからムイはそれに対してなにもツッコめなかった。
「お姉さん達〜。聞こえてるよ」
ドアの向こうから魔女のリノ先生の声が聞こえた。そして、ムイを除いたほかの3人はやっと寝る気になるようになった。
明日も早起きしなくてはならない。別に苦手ってわけではない。ムイは睡眠が浅いから寝坊することはもちろんありえない。でも、どうしても現実逃避がしたい。そもそもほかの生徒が大好きな修学旅行という行事が嫌いなのだ。そのため、たまには自分は本当の夢族人なのかって疑うことがある。でも、それはそれで、夢や幻像を作るのはとても上手で自分でも誇らしく思っている。
変なやつ
夢族はこの世では珍しくて、よく皆から注目を浴びる存在なのにこいつは真逆だ。
誇らしいものは能力とオットアイだけだ。
…