ロシア視点
もう限界だった
いつもいつも、ベラルーシのせいで変な奴らに犯されて…
それに加えて、ウクライナとカザフスタンにも犯されて
怖かった
苦しかった
どれだけ死にたいと思ったことか
だから…逃げる事にした
これで開放されるなら…
そう思って、絶対に行かないような場所に行った
ベラルーシ視点
朝、起きたらロシ兄が居なかった
隣に寝ていたのに
アタシは動揺して何が何だか分からなくなった
必死になって探した
でも居なかった……
仕方無い、癪だがウク姉に聞こう
「ウク姉」
私は嫌いな姉の名を呼ぶ
ウク姉はアタシと同じで、ロシ兄が好きだから
『ん?何ルーちゃん』
気持ち悪いな、こんな奴にルーちゃんなんて呼ばれたくない
「……ロシ兄知らない?」
『え?一緒に寝てなかったっけ?』
「それが…朝居なくなってて…」
『そう…なら、一緒に探そう?』
「本当?ありがとう」
ありがとうなんて微塵も思ってないけど、一応伝える
すると、意外とバレないと思う
この憎悪の感情が……
ロシア視点
空港に行って、飛行機に乗って…
遂に着いた……
カナダに……
カナダにはもう連絡はいれてある
匿ってくれるらしい……
これ程ありがたい事など中々無い
カナダの家の前に立ち、インターホンを鳴らす
『はーい!!』
カナダの声が聞こえる
途中であいつら3人が来たら…なんて思ったが、これで安心だ
ガチャリとドアが開く
『ロシアさん!いらっしゃい!!』
「カナダ、ごめんね…急に…..迷惑だったでしょ?」
『ううん!全然!楽しみにしてたんだー!』
今、カナダが神に見えた
カナダの兄があんな奴なんて……
信じられない……
これで、安心できるはず……
カザフスタン視点
………?
なんだか……朝から騒がしい気がしますね……
何かあったのでしょうか……?
私はそう思いながら身支度をする
ロシアお兄様に貰ったネクタイを首にかけて……
完璧ですね……!
私はそのままリビングに向かう
騒がしい事をしている犯人を見つけるため…
あ、でもロシアお兄様が犯人でしたら全然許すんですけどね!
「おはようございます…」
リビングに入ってそうそう、挨拶をする
ちゃんと躾は受けているのだ
『あ…カザフ…!』
「ん…ベラルーシお姉様」
特にベラルーシお姉様を姉として慕ったことなど幼少の頃しかないが…
まぁ…ロシアお兄様だけお兄様呼びも失礼ですよね…
ロシアお兄様に…
「何をなさっていたのですか?少し騒がしかったですが…」
『……えっとね…ロシ兄が居なくなってて……』
は………?
「な、なるほど……」
『それで探してたんだけど……』
ああ…なるほどね……なら……
「そうだったんですね、でしたら私もお手伝いします」
『え?いや別にいいよ!』
そうして…好感でも上げるんですかね?
まぁ……私はロシアお兄様とシたので…そもそも私の勝ちですがね……!
「いえ…人数は多ければ多いほどいいでしょう?」
『そう…だけど……』
「安心してください、見付けたら直ぐに言いますので……」
『そ、そう…じゃ、じゃあお願い…』
どうせ口論にでもなったら勝てないくせに…
目立ちがり屋なのですかねぇ?ベラルーシお姉様は…
ロシア視点
お腹が減った……
朝から何も食べずに飛び出して来たから……
それを察したのか、カナダは僕に問い掛けた
『お腹空いたの?パンケーキでも作ろっか?』
なんて気が利くんだ…
マジであいつの弟がこんなにいい子とは……
「うん、お願い」
『分かった!……メープルしか掛けるもの無いけど…いいよね?』
「もちろん!」
メープルか…甘いのかな……?
嬉しい…かも……?
『はい!どうぞ!』
「ありがとう…美味しそうだね…」
『本当!?ありがとう』
ああ、なんて純粋で優しい子なんだろう?
「いただきます……」
一口口に入れると、甘さが口いっぱいに拡がって幸せな気持ちになる
「美味しい…!」
『そう?嬉しい!!』
カナダはとてもいい笑顔になる…
めちゃくちゃいい子だな……
兄の方にも見習って欲しいな……
全て食べ切り、お腹も満たされた
凄く幸せだった
『あ、ロシアさん』
「何……?」
『会議の時間だから……行ってくるね!』
「え?」
その時、僕は不安と寂しさに襲われた
ウクライナ達が来るかもしれない……
一人ぼっちになると何が起こるか分からない
その一心で口を開く
「や、やだ……」
『え?』
「いやだよッ……側にいてッ……」
『で、でも……兄さんに呼ばれたから……』
「僕怖いよッ……」
迷惑になるって分かってたのに
もしかしたら我儘を聞いてくれるかもしれないと思い、必死に思いを言葉にする
『ッ……分かった……』
パチンッと音が鳴る
どうやらカナダが指パッチンをしたらしい
『はいはーい!!』
『お呼びでしょうか祖国様?』
すると、部屋の奥から二人誰かが出てくる
『オタワ!トロント!』
「オタワとトロント……?」
聞いた事があるような……?
もしかして……カナダの都市かな?
『オタワでーす!!カナダの首都をさせていただいてまーす!!』
『トロント……多分オタワより知名度があります……』
「自己紹介ありがとう……」
何か個性的だな……
にしても首都か……
モスクワ……置いてきちゃったな……
『さて!オタワ、トロント……僕が命じまーす!』
『僕の代わりに会議に行ってきてください!』
『りょ!』
『承知しました……』
『ありがとう!……これでいい?ロシアさん!』
「うん、ごめんね…ありがとう!」
めちゃくちゃいい子だな、やっぱり
……でも……何で…こんなに優しくしてくれるんだろう?
続くと思う
コメント
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まさかカナダ…いやそんなまさか…