テラーノベル
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『君には見えない、誰かの世界』
プロローグ「あなたの知らない世界」
あなたには――
怖いものがありますか?
高いところ。
暗いところ。
虫。
人混み。
大きな音。
狭い場所。
あるいは――
もっと、別の何か。
きっとあなたにも、一つくらいはあるだろう。
でも。
もしあなたが怖くないものを、
誰かが「怖い」と言ったら?
あなたは、どうしますか?
-–
「え? そんなの怖くないじゃん」
「大げさじゃない?」
「慣れれば平気でしょ」
「みんな普通にできてるよ?」
そんな言葉を、聞いたことがある人がいる。
そして――
そんな言葉を、言ったことがある人もいる。
あなたも、一度くらい言ったことがあるかもしれない。
だって。
自分にとって怖くないものが、
誰かにとってどれほど恐ろしいのかなんて――
見えないから。
-–
あなたは、いつもの道を歩いている。
いつもと変わらない街。
いつもと変わらない人。
いつもと変わらない景色。
何も変わらない。
……そう思っていた。
でも。
あなたの隣を歩いている「誰か」は、
あなたとは全く違う世界を見ているかもしれない。
あなたにはただの階段に見える場所が、
その人には崖に見えているかもしれない。
あなたにはただの教室が、
その人には逃げ場のない檻に見えているかもしれない。
あなたにはただの音が、
その人には耳を塞いでも逃げられない恐怖に聞こえているかもしれない。
あなたには――
見えない。
その人が何を怖がっているのか。
どれだけ苦しんでいるのか。
どれだけ「普通になりたい」と願っているのか。
全部は、見えない。
-–
だから。
少しだけ、覗いてみませんか?
あなたの知らない、
「誰かの世界」を。
-–
あなたが最初に出会ったのは――
明るく笑う、一人の少年だった。
彼はあなたを見ると、笑った。
???「やっほ~!」
あなたも笑い返す。
何の変哲もない出会い。
だけど。
あなたはまだ知らない。
この少年が――
「一人になること」を、何よりも恐れていることを。
そして彼も知らない。
これからあなたと出会うことで、
自分の「怖い」と向き合うことに
なるなんて。
-–
これは、あなたととある12人の話。
そして――
あなたがその世界を知っていく物語。
怖いものをなくすためじゃない。
無理に克服するためでもない。
ただ――
「怖い」と言ってもいいんだと知るために。
そしていつか、
誰かがあなたにこう言えるようになるために。
「あなたには見えなくても、私には見えている。」
――これは、
『君には見えない、誰かの世界』
その最初の物語。
次回 ♡10
コメント
1件
わああ、第1話からすごく心に響く内容だった…!!!😭💕 「怖いもの」って人それぞれで、見えないからこそ軽く言っちゃうことあるよね。でもこの作品は、そういう“見えない壁”を優しく可視化してくれる感じがして、読んでてじんわり温かくなったよ…✨ 「一人になること」を何より怖がってる少年の笑顔の裏側が、もう気になって仕方ない!! 12人の物語、めっちゃ楽しみにしてるよ〜🌸