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〜事務所〜
芥川(生きて戻ってこられたが…彼奴の罪『35人殺し』を探偵社は許すのか?仮に彼奴と探偵社が対立すれば僕はどうすればよいか…)
芥川・銀「おはよう御座います…」
そこで芥川兄妹は、鏡花がメイド服姿で皆に見られている姿があった。
ナオミ「ちょっとくるっと回ってみて!」
銀「…何されてるんですか?」
芥川「それで…なに故このような事になったのですか?コホッ」
谷崎「いやっだって彼女何着ても似合うんだもの。」
銀「いえ、そういうことでは無いと思います よ。」
芥川「国木田さん…」
国木田「そんな目で見るな芥川。俺も止めたのだ。」
芥川「大丈夫なのですか。彼奴は一応殺人犯では…?」
谷崎「…拙 いかな」
銀「谷崎さん方が良くても乱歩さん等はこの手の規則を気になさりませんか?」
谷崎「あ、それは大丈夫。」
ガチャッ
江戸川「ただいまぁ~!バンッ」
谷崎「乱歩さんが一番浮かれてるから。」
江戸川「これ先刻話した練ると色が変わるお菓子!練っていいよ!」
芥川(小学生の兄弟のようだ…)
銀「抑々何故彼女が探偵社に?」
江戸川「でも食べるのばボクだけどね〜ヒョイッ」
泉「あ」
福沢「私が呼んだ。ヌッ」
国木田「社長、この娘が昨日報告した…」
福沢「軍警と市警の動向は?」
国木田「既に複数の隊が検分を始めてます。マフィアの隠蔽の甲斐あってか身元までは割れていませんが…」
福沢「指名手配は時間の問題か。身元引受人が居れば別だが。」
泉「此処に置いてください。 」
銀「えっ!?」
泉「何でもします。」
芥川「だが、そのように簡単では…」
国木田「止めておけ。元マフィアだからではない。仕事が無い訳でもない。だが止めておけ。甘い世界では無いぞ。」
銀「そうですよ。それに此処にいては孰れマフィアに見つかってしまいます。」
芥川「そうだな、遠地へ逃げたほうが良い。」
泉「私には、殺人のほかに何もできないとあいつは云った。」
芥川「そうかもしれぬが…」
泉「違うと自分に証明したい。」
芥川「…僕からもお願いします。」
銀「私からも…」
福沢「…」
泉「 お願いです…ボソッ」
福沢「採用」
全員「えっ!?」
福沢「芥川、銀、面倒を見てやれ。」
バタンッ
芥川(僕の時はあんな大騒ぎの入社試験が有ったが…)
谷崎(社長のあンな顔初めてみた…)
コンコンガチャッ
女警察「失礼します。お約束の書類を届けに参りました。」
宮沢「ああ!ご苦労様です。」
江戸川「あれ?この前部下が逮捕された箕浦くんじゃない」←無神経
箕浦「う…今日は別件だ名探偵。依頼が有ってな」
泉「…」
箕浦「その娘…此処の関係者か?」
芥川(しまったな…)
箕浦「似た人相の手配書きが来てた。元孤児の少女で凄腕の殺し屋とか…世も末だ。嬢ちゃん、親は?身元を証明出来る物はあるか?」
泉「…」
箕浦「おい?」
泉「…」
芥川(くそっ…どうするべきだ)
福沢「私の孫娘だ。」
箕浦「お孫さん?」
福沢「孫だ」
箕浦「しかし…」
福沢「…」
泉「…」
全員(そっくりだ…!)
箕浦「これは失礼。」
〜探偵社外〜
宮沢「都会のお巡りさんって忙しいですねぇ」
国木田「お前の故郷では警察は暇なのか?」
宮沢「うちの村は皆、顔見知りですから。駐在さんの仕事といえば井戸の喞筒修理に煙突の中の猫救助、あとその年一番の水瓜の味見ですねぇ 」
国木田「何だそれは…誰かが犯罪を犯したら?」
宮沢「犯人縛って崖から棄てます」
芥川「…」
国木田「…」
芥川「えぇと、 賢治さんって…」
宮沢「くんとか呼び捨てでいいです。二月前まで『イーハトーヴォ村』という電気も電話もない処で牛を追ってました。社長に勧誘されて都会へ。都会は新しい概念ばかりで楽しいです。 」
芥川「新しい?例えばどんなものが?」
宮沢「先ず…お金の概念が末だよく判ってません。物々交換じゃ駄目なんですか?」
芥川「そこからか…」
国木田「賢治、市警の置き土産は?」
宮沢「お仕事です。走行中の車が謎の爆発。」
国木田「市警でも投げた難題かパラパラ 芥川、やってみるか?何時までも乳呑み児では困る。他の社員に附いて仕事を覚えろ。お前ならやれる。」
芥川「…承知した。 」
〜現場〜
高い位置の窓に突き刺さる車。
宮沢「走行中の車が突然あそこまで吹っ飛んだそうですよ」
芥川(無理かもしれぬ…)
宮沢「運転手は車内で即死、身元不明。」
芥川「身元不明?指紋や歯型が残っていれば身元は判るのでは?」
宮沢「えぇ、歯型や指紋の形が残っていれば」
芥川「…なるほどコホッ」
宮沢「さて、乱歩さんならここで事件解決なのですけど…我々の仕事は先ず、情報を蒐集めるところからです 」
前田「あら賢ちゃん、この前の猪肉ありがとうねぇ」
宮沢「前田のお姉さん。いえいえ実家からの余り物ですから。」
男「おう坊、実は前話した菜園、どうにも水捌けが悪くてな。」
宮沢「きっと畝の土質ですね。明日見に行きますよ。」
芥川「…大人気だな」
宮沢「えぇ、都会の人は怖いと聞いてましたがこの街の人は皆さん良い人ばかりで」
芥川「そういえば最初の方は、お姉さんなのか?」
宮沢「うちの村では若者の範疇です。」
大男「よう賢ちゃん、仕事か?」
宮沢「ええ、そこの爆発した車の件です。何かご存知ないですか?」
芥川(流石、賢治。このようなガタイの良い大人相手にもこんなにしっかり対応している。)
大男「ああ、アレなぁ。噂はあるなぁ」
宮沢「ニコー」
大男「本来は云うたらあかんのやけど… 」
宮沢「いつもすみません」
大男「若いモンが云うとったわ。事件の前、工場区の裏通りの連中が肥料を大量に買い込んどったと。」
宮沢「肥料?それは佳い畑圃場の素晴らしさに目覚めたのでしょうか?」
大男「いや、精製がどうとか云っとったから」
宮沢「ああ…窒素肥料ですか。」
芥川「?」
宮沢「爆弾の原料です。ありがとうございます。何時も助かります。」
芥川(こんなに早く手掛かりが…賢治は凄いな)
大男「賢ちゃんの為なら何でもするけぇな。仲良うしてや」
宮沢「工場区の裏通りといえば互助青年会の皆さんの寄合所がありますね。」
芥川「青年会?」
宮沢「都会風に云うと…えーと『ギャング』?」
芥川「何っ!?」
宮沢「彼らが爆弾を造った犯人なのでしょうか?ご本人に聞きに行きましょう!」
芥川「えぇ…いきなりですか?犯人だとしても認めないだろうから危険なのでは?」
宮沢「心を込めて聞けば答えてくれますよ。そういうものです。」
芥川「そ…そういうものなのか、、?」
〜事務所〜
国木田「何?賢治と!?」←卵のタイムセールに行ってた
谷崎「ええ、芥川君と二人で現場に…問題なンですか?賢治くんは成績優秀で難事件をな何度も解決を」
国木田「大問題だ!賢治の遣り方は特有過ぎて参考にならん!くっ…賢治の仕事手順を素直に信じなければ良いが…拙いぞ」
〜アジト〜
組員「あァん?」
宮沢「皆さんが爆弾を造って車を高跳びさせたんですか?」
組員「くそ面白れぇ貴様ら警察か?」
宮沢「いえいえ、街のしがない探偵屋さんですよ。…へぇ良い鎖ですね。牛を牽引する時の為に持ち歩いてるんですね?」
組員「触んな!」
組員「何が狙いだ」
宮沢「いやあ、皆さんが犯人かどうか教えてもらいたいんですよ。」
組員「くくっ…そんな話は知らねぇ」
宮沢「そうですか!それは失礼しました。ご協力ありがとうございます」
組員「は?」
宮沢「じゃあ僕達はこれで。いやあー良かった良かった。」
芥川「は?どう考えても嘘では?彼奴等が犯人だろう。」
宮沢「でも知らないって云ってましたよ?牛でも人でも村でも都会でも素直に気持ちを話せば通じ合えるものです。僕はこの遣り方で失敗したことがありません。」
芥川「それも、そうか…?」
ジッ…ジリッ
宮沢「ぐぅうう帰りに牛丼屋さんに寄りましょう。お腹減っちゃって」
芥川「そういえば、賢治は牛を飼っていたそうだが食べられるのか?」
宮沢「牛は大好きですよ。飼うのも触れ合うのも食べるのも」
ザッキキキィィッバタンバタン
組員「西地区の敵対組織組員を殺すためにやった爆弾の件。真逆探偵ごときに嗅ぎ付けられるとはな…大した尋問もなく帰ったってぇ事は、何か決定的な証拠を見つけたか市警に密告する気だな?そうはさせねぇ」
宮沢「そうでしたか!本当のことを正直に話すためにご足労頂くなんて…嬉しいです!」
組員「…は?」
宮沢「矢張り正直に話すと解り合えますね!僕の担当した事件では皆さんそうやって素直に告白して頂けるんですよ!」
芥川「そうなのか」
宮沢「ゴッズサァァァ」
組員「まず一人ニヤッ」
芥川(いつの間にか敵に囲まれている…拙い。僕は今まで何をしてきたんだ!)
組長「やっちまえ!」
組員「ワァァァァ」
芥川「くっ…!」
宮沢「あいたたた…ポリポリ」
組員「え…」
組長「え?」
宮沢「あ気にしないでください。こんな事もあります。田舎では牛の機嫌が悪くて言う事を聞かないのなんてしょっちゅうでした。そういう時は…ドン」
そう言いながら車を軽々と持ち上げて投げる賢治
組員「ワァァァァ」
_____雨ニモマケズ__風ニモマケズ
_鉄管ニモ_ナイフニモ_金属打棒ニモ負ケヌ__ 丈夫ナカラダカラダヲモチ
__欲ハナク_決シテ嗔ラズ
__イツモシヅカニワラッテヰル
__サウイフモノニ_________
逃げる敵に止まれの標識を手に取り振り回し倒していく賢治
宮沢「ヒュンヒュンヒュンッ」
芥川(駄目だ、これは無理だ…)
宮沢家家訓
『牛が逆らったら手近なもので殴る』
〜牛丼屋〜
芥川「国木田さん…僕にはあの様な遣り方は無理がある故…」
国木田『…よく自分で気付いた。賢治は怪力の異能力者だ。とはいえ万能ではない。空腹の時しかあの怪力は発動せん。』
芥川「では、満腹になったら…?」
国木田『寝る。』
宮沢「すやーZzz」
〜海上〜
ゴオオオオオオ
樋口「キョロキョロッ…!中島先輩っ!バッザパッ」
〜ポートマフィア〜
?「上腕・大腿筋断裂、全身Ⅰ度熱傷、下顎骨剥離骨折、前頭骨・胸椎裂離、頸部靭帯損傷…そして昏睡。持ち前の治癒能力が働く前にここまでやられ気を失ったのだろう。派手に毀損されたものだね。任務失敗の代償という訳だ。」
樋口「…申し訳ありません」
?「スッ此の儘、意識が戻らぬかも知れないね」
樋口「そんな!」
?「…気を落とすことはない。君たちは佳く頑張ったよ。ソッ確かに探偵社の襲撃に失敗し狂犬の捕獲を謬り輸送船を積荷ごと沈めたけど頑張ったからいいじゃあないか。頑張りが大事、結果は二の次だ。そうだろう?」
樋口「…」
?「そうそう作戦中、中島くんが潰した密輸屋…『カルマ・トランジット』の残党兵が手勢を集めてるそうだ。中島君への復讐だろう。」
樋口「!」
?「良いかね、樋口君。マフィアの本質は暴力を貨幣とした経済行為だ。何を沈めても誰を殺しても良い。だが、暴力を返されることは支出であり負債だよ。」
樋口「そんな、負債などと…中島先輩は是迄の任務で多大な成果を」
?「確かに中島君は優秀だ。彼の暴力性は組織でも抜きん出てる。では君は?」
樋口「…」
?「樋口君、君は自分がこの仕事に向いてると思ったことが有るかね?」
〜お手洗い〜
樋口「…キュッ…ゾッバッ!! 」
立原「カチャッ」
広津「予演はそのくらいにしておけ、立原」
樋口「〝黒蜥蜴〟…」
立原「俺はこういうやれ潜入だ暗殺だっつう陰気な仕事もやっててな。上の勅令で身内を撃つなんてことも珍しくねぇ。本番は驚く暇もないぜ」
樋口「上が…私を始末する、と?」
広津「今はない。だが明日は判らぬ。」
樋口「…私を嘲いに来たのですか」
広津「警戒を促しに来ただけだ。私が貴女の立場なら暗殺者が枕元に来る前に身の振り方を考え直す。命を狙うのは上ばかりとは限らぬしな。 首領直轄の遊撃隊である中島君と貴女は我ら武闘派組を直に動かす権限が有る、いわば上司だ。だが我らを動かせるのは権限ではない。中島君の持つ力への畏怖と崇敬だ。樋口君、中島君の動けぬ今、貴女に我らが従いたいと思わせる何かが有るか? 」
〜医療室〜
樋口「…」
中島『大丈夫、君の助けなんて要らない。』
樋口「ソッ…っシュッ」
触れようと伸ばした手を引っ込める
中島『コツコツ』
樋口『中島先輩!ダッ幾ら先輩でも自殺行為です!敵対者を滅する為とはいえ警備員が詰める屋舎に正面から乗り込むなど…しかも我々部下の援護支持もなく!』
中島『五月蝿いよ、大丈夫って何度も云ってるでしょ。』
樋口『しかし!』
中島『…君に僕の何が判るのさ!』
樋口『っ…!』
ドオォッ
中島『…狼煙だよ。この街の何処からでも見える狼煙。僕の力を認めないまま前触れも断りもなく彼の人の目に否応なく届く太い狼煙さ。』
樋口『ですが先輩を扶けるのが私の仕事です!』
中島『大丈夫、君の扶けなんて要らないよ。誰の助けもね。』
〜家〜
樋口「…|《只今》ドサッ」
?『君は自分がこの仕事に向いてると思ったことは有るかね?』
樋口「そんなの…有るわけ無いでしょ…」
〜医療室〜
ピッピッピッ
傭兵「バタンッガッ」
傭兵「…スッガッ」
〜家〜
ピピピ
電話がかかってくる。そっと取り話を聞いている
樋口「何ですって!?」
〜外〜
樋口「ダッダッダッダッはぁっコツ」
広津「再思し給え。上意に悖る。 」
樋口「スッピッピッピッ」
立原「姐さん、正気か?自殺行為だぜ。」
広津「カチャッ」
立原「カツカツカツ中島の兄人を拐ったのは〝カルマ・トランジット〟の残党が雇った国外の傭兵だ。数が揃ってるうえ重火器でこれでもかって程武装してやがる。」
樋口「ドサッ」
立原「直に首領から奪還作戦の指示が来る。ガッそれまで待てよ!」
樋口「ギッパシッ指示は永遠に来ません。中島先輩個人を襲った密輸屋に対し組織をあげて反撃すれば他組織に飛び火して大規模抗争になる。それを避ける為、上は構成員個人の諍いとして棄て置く心算です。中島先輩は切り捨てられた。」
立原「だが、アンタ一人如きで何が出来るんだ」
樋口「何も出来ません。でも何もしないなんて、私には無理です。ダッ」
樋口(判っていた。私がこの仕事に向いていないことも、部下が私に敬意を払ってないことも。)
広津『私が貴女の立場なら暗殺者が枕元に来る前に身の振り方を考えす。 』
樋口(組織を抜けるのは容易ではないが不可能ではない。前例もある。何度も考えたことだ。それでも私がそうしなかったのは… )
樋口「スッ…っ!カタカタキュッ…カッピンッゴッ」
ドオォッ
樋口「ダッドドドドドドッ」
傭兵「敵襲だ!12時方向!」
傭兵「ドッガガガガガガガガッ」
樋口「ダッビュンサッ」
ドッポロポロ
樋口「バッドッ」
傭兵「!ガスンッ」
傭兵「ジャキッバスンッ」
樋口「!」
太腿に銃弾が当たる。
樋口「あ゙ぅっ」
傭兵「ガガガガガガッ」
樋口「サッペタンジワッ」
樋口(この傷では…)
樋口「キュッ…」
(中島、先輩…)
樋口「はっ…うッうわああああああああ!ドガガガガガガガッあああああ!ガガガガガガガッ」
樋口(私が…この仕事を辞めなかったのは…)
バンッコツコツ
立原「知らねぇ顔は全員殺せ!」
傭兵「何っ…」
立原「ドッドン」
傭兵「…っ」
広津「若者の無茶は彼らの特権だ。ヌッ大目に見給え。バンッ私も若い時分は大変なものだったよ。」
傭兵「ドサッ」
樋口「黒蜥蜴…!どうして」
広津「貴女は我々の上司だ。上司の危機とあっては動く訳にもいくまい。」
立原「ざっとこんなモンか」
中島「うっ…」
樋口「中島先輩!ガタンッ」
中島「…樋口さんか。」
樋口「先輩…血が」
中島「ピクッスッ…ごめんね」
樋口「ポロ…仕事ですから」
樋口(組織を抜けるのは不可能ではない。それでも私がそうしなかったのは…)