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18日になり遂に展覧会の日が訪れた。今までにないほどの快晴だった。ズボンのポケットに小銭を入れ、スマホを片手に持って僕は駅に向かって歩き始めた。こんな暑い日に外に出るなんていつぶりだろう。少し歩いただけで額に汗が滲み出る。ここしばらく家の近くのコンビニまでしか歩いてなかったせいで僕の身体は駅に着く頃にはへとへとになっていた。駅は人が数えきれないほどいて怯んでしまいそうだ。交通系ICカードは疾うの昔に払い戻してしまったので切符を購入するしかない。翠霊ビルの最寄り駅までの切符を買い、ホームへと歩く。ホームに着いたらすぐにスマホの乗り換え案内とにらめっこをする。電車に乗るのがかなり久しぶりで少し不安になってしまう。定時通りに来た電車の中でイメージトレーニングを始める。光彩さんにお願いしてイラストについて色々教えてもらう。そんな夢みたいなことが叶うわけないのは分かっているが最後に悪足掻きぐらいしてもいいだろう。結局何かが変わるわけでもないのだから。最寄り駅まで着いてしばらく歩くと目的地の翠霊ビルにたどり着いた。そこは白を基調とした建物で入り口には展覧会のポスターが近くを歩く人を魅了するほどに輝いているように見えた。