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春の町に向かっていると、春の町の大陸に、ジュリーには何か動く生き物が見えた。
ジュリーがそれに気を引き込まれていると、「うぅ……ちょぴ〜っと気持ち悪い…」と、
アグネスはジュリーの肩に頭を預け、
ジュリーを少し上目遣いで見た。
「……?…こんな時どうするのがせいかい?」
ジュリーは不思議そうに首を傾げ、アグネスを見た。
「ん〜・・・優しく撫でてあげるとか?」「…よしよし……?」
なぜ撫でると気持ち悪さが治るのかまだ不思議がっているが、ジュリーはアグネスの頭を優しく撫でると、すぐに手を頭から離した。
「・・・」
アグネスは少し呆然として、撫でられた箇所を少し触ってみた。するとクスッと笑って、
「・・・んもう!ジュリーおねーさんったらぁ!言ったら何でもすぐじっこーしちゃうんだからぁ!」
そう言いながら、ジュリーをぽかぽかと叩いた。
大陸に着くと、キメラは呻き声を上げながら溶けて行った。
「タサイカさん、ありゃと〜!!」
アグネスはキメラが溶けて液体化した物から足を外し、走りながら手を振った。ジュリーはそんなアグネスを小走りに追いかけた。
するとジュリーは急に歩みを止めて、何かをうっとりと見つめていた。 ジュリーが見ていたものは、この大陸の中の、離れた森の中で獣の耳が生えた少女が、花を咲かせたり揺らしたりしているなんとも不思議な光景だ。不思議だけれど、何故か惹き付けられる。その少女が人では無いことはとっくのとうにジュリーは分かっていたが、あの少女のことを知りたい。という気持ちが溢れんばかりに湧いてきた。アグネスが何か様子のおかしいジュリーに気付くと、後ろ歩きにジュリーの顔を見た。
「おねーさん、どうしたの?」
アグネスはジュリーの頬をぷにぷにと人差し指でつついた。
「……あ。なんでも…ない……。」
ジュリーははっと我に返り、アグネスに不器用な笑みを見せた。
「うっそだぁ!!ジュリーおねーさん嘘つくと何時もより話が途切れ途切れになるもん!」
アグネスはケラケラと笑いながらそう言った。アグネスはジュリーを見上げ、再度こう言った。
「で、もっかい聞くけど、ジュリーおねーさん、どうしたの?」
「……あれを……見てた。」
そう言いながらジュリーはその少女の方を指差した。
「ふーん……?じゃあ行こっか!あっちのとこ!」
アグネスはぱっと笑い、ジュリーの手をその小さな手で握り、その森へ小走りで向かった。