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今日は久しぶりに図書室で会うことに。しかし補習があるので少し遅れると歌に連絡を入れた。
「頼むよ爆豪~!!補習始まるまで、ちょっと教えてくれよ~。」
「わーったよ!!このオレが教えるんだから1発で補習クリアしろよな!!そんで、早くあいつんとこ行け。」
「あいつって??」
「図書室でお前がジロジロ見てたあいつだよ。」
「うぇ!?爆豪にもバレてたの!?」
「あたりめーだわ。」
恥ずかしさのあまり、ショートしてしまう上鳴。爆豪に発破をかけられ生還。
「気合い入れろや。」
掌で爆破を起こし睨み付ける爆豪に、緊張して生唾を飲み込むのであった。
「1発でクリアするくらいなら、最初から真面目に授業聞いとけ。」
相澤は呆れて言った。
「すんません。」
「帰っていいぞ。」
「うぃっす。」
荷物をまとめて教室を飛び出した。
「(あれ、いない…。)」
スマホを見ても、既読がない。
「先生。歌ちゃん見てないすか??」
とあの時一緒にいた先生に尋ねる。今日は見てないわ。と首を横に振った。
「そうっすか…。あざっす。」
屋上でうたた寝してるのかと思い、屋上に行くが。
「(いない。おかしいな…。)」
歌が行きそうなところ。考えながら階段を降りていると。
ほんとに何も聞こえないんだ!?
ウケる!!
てか止めて!!こっちがうるさいわ!!
大音量のTroupe de musique seuleの音楽と、誰かを嘲笑する声が聞こえてきた。
「なに、やってんだ…!!」
嫌な予感がして、声のする教室へ急ぎ扉を勢いよく開けると、案の定、男女数人が歌を囲んでいた。上鳴の元へ駆け寄ろうとする歌を女子生徒が強引に腕を引っ張り拘束する。
「歌ちゃんを離せ!!」
どう助けるか。必死にもがいて拘束を解こうとする歌を見て目一杯考える。もっときつく抑えろと男子生徒が歌に立ちはだかる。
「やめろっ!!」
男女2人を突き飛ばし、歌を抱き寄せる。憤慨した生徒達と乱闘になりかけたとき。
「先生、こっち!!」
芦戸の声が廊下から聞こえてきた。生徒達は舌打ちし、急いで出ていった。
「二度と歌ちゃんに近づくな!!」
廊下に出て、思い切り上鳴は叫んだ。肩で息をする上鳴に、落ち着いてと手話をする歌。
「歌ちゃん、大丈夫??なわけないか、腕赤くなってる…。」
そう言って歌の腕に視線を落とす。
「後で保健室行こ。」
芦戸は、ゆっくり伝えた。
「芦戸もサンキューな。って先生は??」
「呼んできたよー。」
耳郎が先生を連れてきた。
「よくあるじゃん。悪いことしそうな人にヒーロー呼んで!!って言ったら逃げるやつ。あれと一緒。焦ったよ。窓際に詰め寄られてる歌ちゃんが外から見えてさ。」
とにかく、先ほどの出来事を先生に話す。話が終わり先生が出ていくと、歌が何かを探す素振りをみせる。
「歌ちゃんどうした??」
「探し物??」
歌がうなずいたので、皆で探すことに。
「あー、あいつらスマホ落としてやんのー。」
耳郎がスマホを拾い上げた先に小さな何か。
あったという表情をして歌が拾おうとした時。大音量で曲が流れる。
「歌ちゃん…!?」
「嘘でしょ…??」
「聞こえない筈じゃ…!!」
耳が聞こえないと言うのが嘘のように、流れる曲を完璧に歌唱する歌の姿があった。
「ごめん、壊れてないか電源つけたら、タップし過ぎちゃって…。」
「それもそうだけど…どうゆうこと!?」
「今、オレらが喋ってる声聞こえてる??」
曲が終わると驚きのあまり、口々に話す3人に申し訳ない表情をして歌はスマホを取り出し。
「私の個性。」
と打った。
「個性??」
代表して上鳴が話を聞く。
「音楽以外の音が聞こえないの。不意に流れてくる音楽に反応しないように、普段から耳栓をつけてる。」
と拾った耳栓を見せて、つけ直す。
「黙っててごめんなさい。」
と打って、手話でも誤り深く頭を下げた。
「そうだったのか。話してくれてありがとうな。」
他の2人も大丈夫だと親指を立てると。涙目になりながらも笑顔を見せる歌。
「保健室寄って、帰ろうぜ。」
「うん。」
保健室で手当てをしてもらい、今日は歌を先に見送って3人は寮に帰った。