コメント
1件
「“友達”の正体」
榊(さかき)の言った“彼女宛ての本は俺から渡す”の意味が理解できず、しばし呆然とした。
「……はっ?なにそれ、どういう」
榊が 千尋(ちひろ)に手渡すだなんてありえないのに、一体なんの勘違いでそんなことを言うのだろう。
榊に同姓同名の知り合いがいて、そいつと間違っているんだろうかと思いかけた時、榊はこちらに紙とペンを差し出した。
「今言ったとおりです。彼女には俺から渡します。でも整理券を取ってもらった以上、サインはしますので、ここに別の宛名を書いてください」
「いや、なにか誤解されているようだけど、俺がほしいのは彼女の宛名が書いてある本で、ほかの宛名はどうでもいい。彼女に渡すためだと言ったでしょう」
わけのわからない勘違いにイライラしつつ、千尋の宛名が書かれたサイン本を見やった。
榊が脇によけてしまったが、それさえもらえればいい。
不機嫌さを隠さな*****************************
*****************************
****************************
**********************
*****************
*********
*****
**************