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「はぁ」
そう俺は冷たい息を吐く。
白く小さな息をした。
冬。東京にしては珍しく雪も降って、俺はそんな中、一人で立っていた。
「誰もいない」
そんな夜。
俺を見る人は誰もいないんだよ。
見てくれる人は誰もいなくなった。
静かに寝静まった東京。誰一人いない。
なんでここにいるんだろう?なんで誰もいないんだろう?
そんな疑問ばかり浮かんでくる。
足が動かないな。
冷たくって、冷たくって、壊死してるのかもしれない。
「誰もいないじゃんw」
落ちてゆく雪の結晶を眺めて、俺は崩れ落ちる。
ここはどこで、俺は誰だ。
これが夢であったらいいのにな。
次目を覚ましたら、そこは自室だった。
ベッドで寝っ転がっていて、いつも通り。
なんの夢だったんだろう。
わからないや。
夢なのかもわからない。
昔実際に起こったようにも思える。
「まさか正夢、、?とか」
これからありうる未来なのかもしれない。
でも、そんな日が来ませんように。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
目の前は吹雪。
東京ではありえない天候だ。
目の前が見えない。白い。
ここが東京なのかすらもわからない。森の中にすらも思えてくる。
「み、んな。な、ぎちゃん、ひば、り。かな、と!!」
届かないこの声。
誰かに届いてほしい。
俺はどこで何をしてるんだ?俺は___!!
「どうしたんですか?」
ランタンを持って、俺の目の前に現れたのは凪ちゃんと全くおんなじ容姿をした男の子だった。