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その日、しっかりとれいなは来た。
茶の混じった肩につかない髪がゆれる。
自分の真っ黒な髪と違って、れいなは特別なのだとわかる。
「れいな、おつかれ」
「あ、うん…光、ありがとう…」
理科室のひんやりとした椅子に腰かける。
「もう夏おわったね。」
「そ、うだよね。はやいね…」
こんなにれいなが弱ることなんてない。赤く腫れた目を見ると
すごくゾクゾクする。
「ねえれいな。私ずっと思ってたことがあるの。」
「なに?」
椅子に座っていたれいなが押し倒される。
あぁ、この顔。ずっと、見つめてきた顔。
押し付けているれいなの腕はあたたかい。生きてる。
キュウ。
気づけば細い首すじに両手があった。
あったかくない。