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「島が見えたわよ!」
展望台にいたロビンが声を上げた。船の行く末には確かに島が見えた。あれがドレスローザ。ドフラミンゴのいる島。
「着いたぞ、ドレスローザ!」
「ばか! 大声出すなよ! ドフラミンゴに聞こえちまう!」
「聞こえるか…」
「「今助けるぞ、カン十郎!」」
ドレスローザ――愛と情熱の国。俺たちはドレスローザへ上陸した。
「とりあえず、俺たちは町ん中へ行きゃいいんだったな」
「ああ。いいか、くれぐれも油断するな。工場破壊に失敗すればすべての計画が狂う」
「あっ、そうだ! おーい、良い事思いついたぞ! モモ~!」
「チッ」
「ロー、舌打ちすんな。ナミに渡すもんあるんだろ。俺渡してくるぞ」
「…頼む」
俺はローからビブルカードを受け取り、ナミの元へ向かう。
「ナミさーん」
「どうしたの?」
「渡しておくものがあって、手出してくれるか?」
俺はナミの手の平の上にビブルカードを置く。
「これ、ビブルカード?」
「そう。さっき言ってたゾウっていう島を指すビブルカードだよ。厳密には、ゾウにいるハートの海賊団クルーのビブルカードだけど」
「…どうして、これを?」
「保険かな。俺たちに何かあったときのための」
「何かって何よ!?」
「例えばの話だって。とにかく持っててよ。それがあればゾウまで辿り着けるはずだし」
ビブルカードを渡し終えると、ローが地図を広げていたので俺はそちらに向かう。あ、ベポの描いた地図か。久しぶりに見たな。
「うわ、ヘタ」
「あのふわふわ肉球で地図を描くのはちょっと無理があるんだ……ベポの可愛さに免じて許してくれ…」
「今はここ、ドレスローザの西の海岸だ。ドフラミンゴが住む宮殿はドレスローザの中央にある。SMILEの製造工場はこの島のどこかにあるはず。時間は少ねえ。工場破壊チームは迅速に行動しろ。おれたち、シーザーを引き渡すチームはドレスローザを通って、北へ伸びる長い長い橋を渡り、グリーンビットへ進む」
「なんでわざわざドレスローザから行くんだよ。直接船で行きゃいいだろうが、全員で」
「船じゃ不可能らしい」
「あら、それは楽しみ」
「あ、安全に頼むぞ、おい」
というわけで、シーザー引き渡しチームはロー、俺、ウソップ、ロビン。船番チームはナミ、ブルック、チョッパー、モモの助、サンジ……
「あれ? サンジどこ行った? ルフィたちもいねえな…?」
「チッ、あいつら作戦のメインだぞ、どこ行った?」
「先行きやがったな……あいつらドレスローザ入る。工場壊す、ってことしかわかってねえだろ……単純脳筋どもめ~…」
俺は頭を抱える。ナミが仕方ない、と言った。
「つーか錦えもんがいないから俺たちはサニー号にあるものだけで変装しなきゃだな」
「そうなるわね」
「ドフラミンゴには狐の面がバレてるし、それ以外でどうにかしなきゃならねえな。サングラスとかある?」
「あるわよ」
俺たちは早速準備に取り掛かる。
「付け髭は嫌だな…サングラスだけでいいか……ああでも俺の髪ってちょっと目立つからな。フードのある服、何かあったかな」
パンクハザードではコートばっか着てたし、その前は基本白シャツにジーンズだもんなー……。前にシャボンディで買った服もフードはないし……。
「ジェディ、いつまで悩んでんだ。時間がねえっつっただろ」
「あ、ロー。俺顔隠せるような服なくって…。ウソップの帽子勝手に借りようかなー。怒られっかな?」
と言いながらウソップの帽子を手に取ると、俺の顔にばさっと何か投げられる。それを手に取ると、ローの服だった。おお、フードついてる。
「貸してくれんの?」
「時間がない。さっさと着替えろ」
「…はは、ありがとー」
俺はローの上着を羽織り、フードをかぶる。うん、なんかちょっとダボッとしてるけどこれくらいの方が逆に良いかも。……にしてもすっげえローの匂いするな、ちょっと慣れるまで落ち着かねえかも……。っていやいやいや、俺は変態か!?
ぶんぶんと頭を横に振って俺はサニー号を降りる。
「それじゃあグリーンビットに行くか」
「その前に軽く情報を集めるぞ」
「了解!」