テラーノベル
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「ねぇ照…一個、頂戴」
そう言って、背後から手を伸ばして来た渡辺が
一つ摘んだのはチョコレート…
綺麗な箱に整然と並んだその一粒を、口に含んで
「何コレ…お酒?」
もっと甘いと思っていたら、中からトロリと洋酒の香り
「これ意外と強くない?」
「あぁ…多分、ちょっと強め」
「照…何、平気な顔して食ってんの?あぁ…喉が熱くなって来た…」
そう言って、ペットボトルの水をがぶ飲みする渡辺
「そんなでもないでしょ…。翔太、人の勝手に取っておいて…文句ばっか言わないでよ」
「だって本当の事だもん…」
「翔太が、アルコールに弱すぎるだけだって…」
「あぁ…駄目だ…。まだ、この味が口の中に残ってる…。ちょっと自販機で、コーヒーでも買いに行って来るわ」
そう言い残し、楽屋を出たのが30分前
それから、いくら待っても帰って来ない
『また何処かに、寄り道か…?』
せっかく会えた…恋人同士の語らいを
このまま放棄する気じゃなかろうな…?
岩本は、箱を置いて立ち上がり…
渡辺の様子を見に行った
『自販機という事は、すぐ近く…』
楽屋から一番近い場所へ行ってみるが
そこには誰の姿も見当たらない
「佐久間、凄いね〜!カッコイイ!」
側で、誰かの声がして…
行ってみると翔太だった
「ねぇ、2人で何してんの?」
恋人よりも佐久間を選んだ、その事が…
凄く不服な岩本が、顰めっ面で聞いて来た
「あのね…佐久間が、オタ芸してるの。ペン持ってハイハイハイハイって!」
どうやら、サイリウムの代わりに、サインペンを両手に持って
翔太にオタ芸を披露していたらしい
「これの、何処が楽しいの?」
俺との話より、オタ芸なの?
拗ねてしまった岩本が、一言いうと…
ジロリと佐久間が睨んで来た
「おい照!オタ芸は、神聖なもんなんだぞ…。翔太はソレを分かってくれて///一緒に2人で楽しんでたのに…。照は、それを【コレ】呼ばわりとは…」
「はいはい、ごめん…。言い過ぎた…。俺は、翔太に話があっただけで…」
佐久間に詰め寄られていた岩本が、気が付き辺りを見回すと
そこにはすでに、意中の恋人の姿は無くなっていて…
「ちょっ…翔太!何処行った〜?」
佐久間を置いて、その場を去って
次は何処かと探し始めた
「ラウール、身長伸びたよね〜///」
次に見つけたのは、ラウールの腕の中…
【大きくなった。成長したね。】
翔太は喜び、誉めている
「大きくなった俺となら、恋してみても良いんじゃない?///」
調子に乗ったラウールが、そう言って渡辺に顔を寄せると
「こらこら、そこは何してる…」
黙って見ていられなくなった岩本が、割って入って2人を離す…
「酷いよ、何で邪魔するの?」
長身同士の睨み合い…
2人がしばらく、そうしていると
またもや愛しの彼は…その場から忽然と姿を消していた
またもや辺りを探してみると
「しょっぴー///ん〜愛してる///」
向井に背後から抱き付かれた渡辺が
楽しそうに笑っている
「俺も康二、大好きだよ〜!」
ケラケラ笑った渡辺が、楽しそうにそう言うと
調子に乗った向井がギュッと渡辺の身体を抱き寄せた
それは、今までとは何処か違い…真剣な顔の向井に気付く
これはマズイぞ、戯れているとは訳が違う…
「康二!駄目です。離しなさい…」
岩本は、またもや2人の間に入り込み
向井と向き合い対峙した
「照兄、ごめんな…。妬かんとって…///しょっぴーと俺、ラブラブやねん」
今度は、何処かに行かぬよう
渡辺に目線を向けて…見つめ続ける
当の本人の渡辺も、向井の語尾が気に入って
「やねん〜♪」
と、言って…何ら1人で楽しそうに歌い出した
「照兄!なぁ…ちゃんと聞いて!」
向井に視線を無理矢理変えられ
2人がどれだけ、仲が良いかを切々と語り聞かされる
「はいはい。分かった。2人が仲が良いのは良く分かった…。それでも翔太は渡さない…」
そう言いかけて指を刺すが、そこに渡辺はもう居ない
「しょっぴー!俺のしょっぴーは?」
ウロウロし出す向井を置いて
次は何処だと探し始める
「翔太は、良く分かってるね〜///」
深澤に手を握られた渡辺を見つけ
慌ててそこへ駆けつけると
「そうだよ、俺も気に入ってる///翔太だって、凄く綺麗…手入れだって行きとどいてて///2人は、お似合いって事なのかなぁ…///」
そう言った深澤が渡辺の手に、唇を寄せると
「はいはい、そこまで!離れて離れて〜!」
力づくで、2人の手を離させて…
深澤に向き合い対峙した
「はい、それで?ふっかは何を褒められたの?」
「俺の手が、好きだって…///それってさ…俺の事も好きって事でしょ?///」
「いやいや、それは…違うと思う」
首を振って答えると
渡辺も楽しそうに首を振る…
「それなら照!どうしたら良い?」
渡辺を落とす、アドバイスを求められ…
「そんなの無理でしょ。諦めな…」
そう率直にバシッと言うと
涙目になった深澤が
「え〜何で?なんか酷くない…。照は協力してくれないの〜?」
そう言って縋り付いて来た
『恋人を落とす手伝いなんて誰が、そんなのするもんか…』
心の中でぼやきながら、渡辺を見ると姿が無い…
「あぁ!また、逃げられた…」
岩本は、頭を抱えてしゃがみ込み…
深澤に【大丈夫か?】と心配された
「はぁ…次は、何処行った?」
辺りを探すが見つからない…
段々不安になってきて、辺りをキョロキョロ見回すと
「涼太…駄目だよ、くすぐったい…」
クスクス笑う渡辺を、抱き寄せた宮舘が…顎を持ってキスを迫る…
「はいはい。君達…何やってんの?」
唇が触れ合うその瞬間…間に、岩本の手が差し込まれ
両側から、チュッっと唇の感触…
「照、邪魔だよ…あっち行ってて」
再度しようと試みるが
「そんな事は、させません!」
岩本が渡辺の手を引っ張った
「照、綱引き?負けないよ///」
渡辺は、夢中になって手を引いて…
あっさり岩本の腕の中へ
「舘さん、コレは俺のです」
「俺はココに落ちてたモノを、拾っただけだ…」
2人は酷い言いようだが、当の本人は気にしていない
「2人で睨めっこしているの〜?俺も混ぜてよ、ねぇ混ぜて〜」
キャッキャと笑い、割り込むが
「翔太は俺の後ろに、隠れてて!」
そう言われて不貞腐れた様に口を尖らす
「俺が危険人物みたいに、聞こえるんだが?」
「えぇ、そうですよ…間違いなく」
2人はずっと睨み合い
渡辺が居なくなった事に気付いていない
「阿部ちゃん、2人が意地悪するよ〜!」
泣き付いたのは阿部の胸…
「あぁ翔太…辛かったねぇ…」
何だか良く分からないが【鴨が葱を背負ってやって来た】
『あぁ…きっと俺に食べて欲しいんだ…///』
そう勝手に解釈して
ヨシヨシと慰めるフリをして…顔を近付けキスを迫る
「おっと、滑った…すまん阿部」
今更気付いた岩本が、体当たりして阿部が飛ぶ
「阿部ちゃん凄い!もっかい、やって〜!」
目の前で飛んだ阿部の事を
渡辺は、キラキラした目で見つめている
「照、痛いんだけど…。いきなり何?」
「滑ったって言っただろ?」
「絶対違う!体当たりだろ?」
「そんな事、俺がする訳無いだろう…」
睨み合う両者…
そのまま、しばらくそうしていると
目黒が渡辺を連れて行く
「しょっぴー、眠いの?ココで寝る?」
ベンチに座り、膝を叩くと
コクンと頷き…頭を乗せた
「そうそう、良い子///可愛いなぁ…///」
頭を撫ぜると、ニコニコ笑う
きっと楽しい夢を見ているのだろう
「ねぇ、しょっぴー…このまま俺と…///」
そこまで言うと、頭の上に影がさす
「悪いけど、目黒に翔太は渡せない…」
そう言いながら、抱き上げて
姫抱っこで楽屋へ戻る…
「翔太!起きてよ!ねえ翔太!」
そのまま、しばらく寝続けた渡辺の身体を揺すって…眠りを覚ます
「何だよ照…。頭いてっ…」
どうやら二日酔いの渡辺が、目を覚ますなり顔を顰める
「あぁ…何か気持ちも悪い…。ちょっと冷たい水買ってくるわ…」
そう言い残して、出て行こうとする渡辺を
「嫌だ!翔太、絶対駄目!」
岩本が縋る様に、引き留める
「何だよ…。自販機に水買いに行くだけだろ…」
「だから、ソレが駄目なの…絶対駄目〜!」
岩本の叫びが楽屋に響き…
二日酔いの頭に、頭痛が起こる
「うるせぇ!照!耳元で騒ぐな!」
何処までも報われない岩本は
ずっと腕を掴んで、騒ぎ続けた
【完】
コメント
32件
声出たw もう見てて面白かったです 酔った💙に振り回される💛 かわいい
またまたちょいと来れない間にもう幸せなお話がぁ!!💕ありがとうごさいます😍 小悪魔さんの続きも後程じっくり読ませていただきます😋 が、取り急ぎ変わらず素敵なお話をあげてくださったおその様に感謝の気持ちを!と勢いでのコメント失礼しました🙇