テラーノベル
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夜。ゲーム配信を終えたあと、2人は並んでリビングに座っていた。
テーブルにはコーヒーとお菓子。
らっだぁは片手でコップを持ちながら、スマホを見ている。
「なるせ、今日めっちゃテンション高かくなかった?笑
コメント、めっちゃ『なるせかわいい』って言ってるし笑」
「は…?!読むなそういうの!」
「なんで?事実だよ?」
「いいだろ、だからって俺に言わなくても…」
けれど、そんなやり取りをしながら、なるせはらっだぁのスマホを覗くフリをして、らっだぁの肩に頭を預けるように寄りかかる。
「ほらここ見て! めっちゃお前の声かわいいってさ──」
「……はいはい、わかったわかった。」
「あ!ここもだわ!」
「……でも…別にお前と一緒いるからだから」
「え…?」
ふと、らっだぁがスマホから顔を上げて、なるせを見た。
なるせは、目線をそらしたまま髪の毛をいじっている。
「お前が隣で喋ってくれて、フォローしてくれるから、 俺、安心してできてんの。
…いつも通りとか言ってるけど、ほんとは、めちゃくちゃ助かってる、の…」
声が少しだけ、掠れていた。
らっだぁは一瞬、驚いた顔をして
──それから、ふっと笑った。
「……え?、なに、めっちゃ素直じゃん笑、
どうした?笑」
「……やっぱ、言わなければよかった」
「なんでよ笑」
「お前、絶対揶揄ってくるから…」
そう言って、照れ隠しのためにコーヒーを飲もうとして──
そのまま、らっだぁにカップを取られた。
「だめ。今は俺のターン」
「は?」
「めっちゃ嬉しいから、さっきの。もっと言って」
「言わねぇよ……さっきのもギリだから」
頬を赤くしてそっぽを向くなるせに、
らっだぁがゆっくりと顔を近づける。
「なるせ、好き。めっちゃ好き。
──キスしていい?」
その距離と声に、なるせは言葉を詰まらせたあと、小さくうなずいた。
「……一回だけな」
「はい、可愛い」
軽く触れたキス。
でも、温度も、鼓動も、ちゃんと伝わってきた。
キスのあと、俯いた、 なるせがぽつりと呟く。
「……ほんとに、 お前……ずるいくらい、ちゃんと俺のこと好きにさせてくるよな」
「なにそれ笑。でも、俺もなるせのこと、に好きすぎて困ってるわ」
そのままふたりは黙って寄り添って、
夜の静けさの中で、ゆっくり呼吸を合わせていた。
コメント
2件
好きです✨ありがとうございます フォロー失礼します