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受け取った書類を胸に抱きしめながら、華は小さく息をついた。
(また助けてもらっちゃった……)
入社してから何度、律にフォローされただろう。
自分はただ迷惑をかけてばかりで、教育係の負担になっているだけ――そんな思いが胸を締めつける。
けれど同時に、心の奥で別の感情も芽生えていた。
――このままじゃ嫌だ。
――いつか、ちゃんと律さんに「できる」って思ってもらいたい。
華は小さく拳を握り、顔を上げた。
まだ道は遠い。それでも、成長したいと願う気持ちは確かにそこにあった。