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「来てくれてありがとう」嘉くんが斜め向かいに座って微笑む。
ラメ入りストライプのシャツも、嘉くんだから負けずに華やかに着こなせている。
今日はちょっと人間関係で色々あったけど、
嘉くんの顔見れてホッとした。
そんなことを伝えたら、
なんだとー?!と言って、嘉くんは
大輝と将生と周杜をテーブルに呼び寄せた。
3人にも話していいかと断った上で、
私の向かいに座った皆に
「〇〇が凹んでるんだけど。悪くないよなぁ?!」と問いかけた。
すると
「マジでそれおかしいっすね」と大輝が答え、
「全然悪くないっすよ!」と将生が頷き、
「気にしないで!これ食べて」
と周杜が小さなチョコレートを一粒くれた。
嘉くんは満足そうに大きく頷いている。
その後も、ずっと4人で肯定してくれた。
「あ、ありがとう」
しばらくして係の人が、静かにこちらの席に近づいて
「お話中すみませんが、ホールに誰もいなくなっちゃったんで戻ってください」
と3人を呼びに来た。
皆は「元気出して」とこちらに声をかけてそれぞれ戻っていった。
嵐のような一時だった。
2人きりになると、横に座りなおした嘉くんが真剣な顔をして私の肩を抱いた。
「みんなの言った通りだから。
◯◯は一人じゃないよ」
その声は、さっきの賑やかさとは違う、
静かで温かいものだった。
「辛いときに思い出して来てくれてありがとうな……」
賑やかで楽しかった、と伝えると
「〇〇の居場所の一つになれてるみたいで、俺も嬉しい!」と、笑顔になって、ぐっと肩を抱く手に力がこもる。
嘉くんの目は本当にきれいだ。手は包み込むみたいに大きくて温かい。
仲間に入れてもらったようで
元気になれたよ。
ありがとう、嘉くん。
end