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「来てくれてありがとう」
私の隣に聡ちゃんが座って、にこっと笑った。
金髪に変えたんだ。似合ってる。
彼の笑顔に心が緩んで
「聡ちゃん……」と言うと、「どうしたどうした!?」と乗ってくれた。
思わず私は
「実は今日……」と
辛かった出来事を話した。
「……ううっ……」
話を聞き終わった聡ちゃんの目が潤んでいる。
えっ、まさか今の話でそんなに震えてくれてるの。
「ごめんね……僕が泣いたって仕方ないのに……。〇〇、そんな辛いのに、よく来てくれたねえ……」
なんて優しいんだろう。
私よりも困った顔をしてる聡ちゃんを見つめていたら、ますます泣けてきた。
聡ちゃんはそれを見て、ああ、これじゃいけないよね、と自分の涙を指で拭った。
そして、
「僕が悩みを取ってあげる……」
と言うと、私の両肩に手を置いた。
何が起こるのか分からず動揺していると、
聡ちゃんはじっとしてて、と呟いて、そっと額を私の額にくっつけた。
まるで、唇が触れそうな距離。真剣な聡ちゃんの眼差しに鼓動が高なる。
聡ちゃんは、目をつぶった。
私も黙って目をつぶる。
周りの人からどう思われているんだろう。
額が熱い。
何秒かの緊張ののち、ふっと離れたのがわかった。
目を開けたら、聡ちゃんが微笑んでいた。
「大丈夫だよ、もう吸い取ったから。嫌なこと考えそうになったら、もう僕に渡したんだって思って……僕は寝て忘れておくから」
さっきまで泣いていた人と同じとは思えないほど力強い物言いに、頭がクラクラした。
もう、悩み事より何より、聡ちゃんで頭がいっぱいだ。
幸せな夜を
ありがとう。
end
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