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「とうっ!」
と同時に、タナトスの変身能力により凶悪な姿になるかと思いきや。
「……は?」
「どうデス?可愛いでしょう?」
何を見せられているのか。タナトスが白ウサギに変身した時点でブラックピットは呆然。だがすぐに目が覚め。
「ヤミ、巻き添い食らう前にさっさとこの場から離れろ」
「え……」
「いいから!!早く行け!」
ヤミの背中はオレが守る!と言わんばかりに背中を向け、視線だけヤミの方へ。
ブラックピットの命令に頷き、少し離れた場所へ移動していく。もちろん勝ちを譲る気は無いブラックピットは改めて視線をタナトスへ。
「行かせてよかったんデスか?どうせ無駄なあがきなのに」
「無駄かどうかは今にわかる。覚悟しろよ!」
ブラックピットから最初、仕掛けてくるもタナトスは瞬時にピットへ変身。思わず戸惑いを見せつつ、シルバーリップを上手く使いこなし、何発か射撃を入れる。それらの矢を軽く回避し、同じく神弓でタナトスは迎え撃つ。やはり実力は互角。これではケリがつかないのも今のうちだ。ヤミは一瞬考えを浮かばせる。なにか自分にもやれることがあるか。すると内心、心が熱くなったような気が。闇ではない…ほんの一瞬の出来事。ブラックピットを見た瞬間、体内から力が溢れかえって見えるような…。
中盤まで来ると上空から謎の人物が現れ、タナトスとパンドーラの元に何かがポロリと落ちていく。
「はぁ……はぁ……ん?なんだ?」
「う……くっ……な、なんデス…か…なに…s…ゅ…¿」
「うっ……あああああ!!!!?」
二人の様子が確実におかしくなっていく。周囲にまとう謎のオーラにブラックピットはさらに警戒を強める。一方ヤミはそろそろ我慢の限界のようで出ようか出まいか、迷いが生じ。
「ォ……こ……こ、r……して……ゃ……??」
「ふ…フハハハ…あはは!!¿」
「オイオイ…何が起こっ…がハッ!?」
タナトスの乱暴な蹴りによってブラックピットが防御しようとするが、前より格段に上がっている攻撃力に押し負け、後方へと体が激突。そしてさらにパンドーラが追い討ちをかけ、タナトスもそれに続く。
「ぐ…ううっ…。」
「ブラピ……!」
意識が朦朧としながら、それでも敗北は絶対に許されまいと必死に立ち上がるが。
もはや想定外の二人の威力に神器を握る手に力が入らない。逆に両手は震え続けて。
「っ…………」
その光景にヤミは目をそらす。自分のせいだと思いこみ、他人に押し付けるのではなく己にあるのだと。そう責任を称える。
タナトスとパンドーラの攻撃はそれまで止まずにいた。ブラックピットは何度か攻撃しては回避の繰り返しでシルバーリップを振り回しては射撃を行うも無効化される一方だ。またもや二人同時による技で頭から地面に激突。頭部から出血が酷く、いつ死に至ってもおかしくない状況である。それを見たヤミは静かに立ち上がる。ゆっくりと歩行していき、ついにほんのわずか。左目と翼に赤が灯され――覚醒の時は近い。
「…?」
「あらあラ…なぁ二?」
二人の言葉に反応せず、ブラックピットの前に立ち塞がる。酷い有様なのは一目見ただけで判別できる。ゆっくりと拳が強く握られ、その瞬間。ヤミの左目と翼が……
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