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ちぐさ視点
「あっとくんは、このことを知っても、死なない?」
「えっ?」
俺が一番心配だったのはあっとくんは死ぬか死なないかだ。だって、卵焼きを食べない方がいい人生なんて、聞いたことないし、多分、この先もずっとないだろう。だから、聞きたかった。死ぬのか、ううん、生きるのか、これが、俺の一番知りたいこと。
教えて、あっとくん。
「俺は―、死なない、生きるよ」
「よかったポロポロ」
あれ?急に涙が…
「ち、ちぐ?大丈夫?」
「ううん、大丈夫」
「多分、うれし涙なんだ!」
多分そうだよ。俺は、あっとくんが死なないこと、生きることを選んでくれた。それだけで俺は嬉しいんだ。
「なら、いいけど…」
「そろそろ帰る?」
「うん!」
「にしても意外だったな〜」
「何が?」
思わず反応しちゃった。これって、いいのかな…?
「いや〜俺にこんなことがあったなんて、ってこと」
「そ、そうなんだ」
よかった〜ただの会話だったみたい。独り言だと勘違いしちゃったよ。
「てか、なんで食べたら駄目なものがあるんだろうな」
「あっ!それのことについてなんだけど」
「?何?」
「食べちゃ駄目な食べ物あるの俺等だけだらしいよ」
「…そんなことあるんだな、まるで運命みたいなさ」
「…運命」
どうしよう、俺、あっとくんのこと意識しちゃってるから、そういう言葉に惹かれちゃうよ!
「ちぐ?」
「あっ、御免御免、どうしたの?」
「いや、ちぐの家ここでしょ?」
「そっ、そうだ!じゃあね〜あっとくん」
「じゃあな」
危ない危ない。危うく家の前通り過ぎるところだったよ。でも、
「まだ、話たかったな」
そう言い、家の中へと入った。