テラーノベル
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恋のことや将来のことがはっきり決まって、私たちは中学3年生になった。
レヴィは高校へは行かず、KEELとしての仕事を少しずつこなしている。
海斗は小学3年生になり、もうすっかりお兄さんだ。お父さんとお母さんは元気にやっている。KEELは引退したものの、新人の指導やレヴィを鍛えたりするので忙しそうにしていた。
私はクラス替えでティナと奏舞と同じクラスになった。光平は2組で空舞は3組らしい。
中1のとき奏舞と空舞をふって、私も失恋した。こんな複雑な恋が初恋だなんて正直どうかしていた。けど、今はもうスッキリしている。奏舞たちも前を向いているようで安心した。
「おはよう愛楽」
「おはようティナ〜。進路希望調査出した?」
「まだなんだよねぇ…」
「えっ明日締切でしょ?」
「ちょっと親と揉めてて…」
「あー…私も」
「愛楽は高校どこに行くの?」
「私行かないんだよね」
「ええっ!?」
中1の時に決めた。レヴィが行かないと決めたから私も行かないことにした。私はKEELに専念する。殺し屋としてこの先を生きていくと決めたから。
でも、お母さんはせめて高校は行った方がいいと言って聞かない。もちろん今の日本は高卒がギリギリという見方をしている。でも、それは表の社会の話だ。私は裏の社会で生きていく。
「ティナは?どこ行くの」
「私、カナダに戻ろうと思ってるの」
「えっ」
「日本が大好きだから、カナダにも日本の魅力を伝えたい」
「でも、それなら日本でもいいんじゃ」
「カナダで営業のこと学んで、今から日本のこと発信してく。それで友達誘ってお店開きたい」
「そうなんだ」
しっかりした目標があることを知った。ティナは凄い。
「じゃあ、光平とは…?」
「うん。遠距離」
「寂しいね」
「寂しい」
みんながそれぞれの夢を持っている。そのために諦めるものもある。私が奏舞と空舞への想いを諦めたように、ティナが光平と一緒にいられるのを諦めるように。
「光平は高校どうするって?」
「今日聞こうかなって思ってるの」
「そうなんだ。やっぱり日本にいるのかな」
「たぶん、そうかもしれないよね」
今日のティナはいつもより表情が暗かった。
ーティナsideー
「ただいま」
「おかえり。ちょっと遅かったな」
「うん。先生に手伝い頼まれて」
「そうか」
「お父さん。私どうしてもカナダに戻りたい」
「ダメだ」
「どうしてなの?」
「お父さんたちが日本を離れられないからだ。仕事も持ったしここでの友達もいる」
「なら私1人でいいよ」
「そんなのもっとダメだ」
「じゃあどうしろっていうの!?」
「諦めて日本の高校に行きなさい」
そんなの嫌だ。私はもっと自由に生きて、やりたいことたくさんしたい。
諦めたくない。
ピロピロピロ
スマホの電話がなった。私はとりあえず出る。光平からだった。
「どうしたの?光平」
『カナダに行くってホントか?』
「うん、まだ決まったわけじゃないけど…」
『そんで親にも反対されてんだろ?』
「なんでそれを…」
『あいr…じゃなくて、風の噂で聞いた。俺まだ高校決まってなかったんだけどさ、ようやく決まったよ』
「え、どこにするの? 」
『ティナとカナダに行く』
「えっ、えぇ!?」
輝瀬黒(ペア画中
70
『元々海外に行きたいとは思ってたし、こんなチャンス滅多にないだろ』
「それはそうかもしれないけど…親には!?」
『俺の親は放任主義だ。あんま口出ししてこない』
「そういえばそうだったね…」
信じられない。こんな奇跡があるのだろうか。
「光平、一緒にカナダに行ってくれる?」
『ティナのためならどこへでも』
私は電話を切り、もう一度お父さんの方を見た。
「私、1人じゃないよ」
「待ってくれティナ。お前いつの間に…」
「お願い。ここが新しいスタートになるの」
「…わかった」
「ありがとうお父さん!」
「待ってくれ。まずこのコウヘイくんを紹介するんだ!どんな男だ?まずいつから付き合ってる!?」
「愛楽にもありがとうって伝えなきゃ」
「待て!まずお父さんにコウヘイくんのことを、ティナ!ティナァァアアア!!」
コメント
1件
ああ、このエピソード、すごく温かい気持ちになりました。中学3年生になってそれぞれの進路を真剣に考え始める時期。ティナがカナダに戻りたい夢と、それに反対する父親の板挟み…そこに光平が「一緒に行く」って決断する流れ、震えました。親の反対を押し切る力って、やっぱり誰かがそばにいてくれるって大きいんだなって。ティナが「1人じゃないよ」って言ったときの父親の反応も含めて、人間関係の描き方が丁寧で好きです。