私
の名前は水鏡月子。今年17歳になる女子高生だ。
容姿はまあ普通だと思う。自分で言うのもあれだが成績は優秀だしスポーツだって人並み以上だと自覚している。
自慢じゃないけど、彼氏いない歴=年齢なんてこともなかったりするのだ。
じゃあそろそろ本題に入ろうと思うんだけど……実は私には誰にも言えない秘密があるんだよねーこれが。
それは―――私が『魔法少女』だということ!
☆★☆ 私はいつものように学校からの帰り道を歩いていた。
私の住む町は田舎ではないけれど都会でもないいわゆる普通の住宅街。近くには大きな川があって夏になるとよくそこで花火をしている家族連れを見かけたものだ。
だけど最近はちょっと様子が違っていた。というのもこの辺り一帯に妙な怪物が現れるようになったからだ。
最初はカラスくらいの大きさをした真っ黒な塊だったらしいのだが、最近では巨大化して民家より大きいサイズになっているという話もある。それだけ大きいにもかかわらず素早い動きをするらしく警察も手を焼いているそうだ。
しかもその怪物たちは人を襲っているわけでもないし攻撃してくることもないのだという。ただじっと見つめてくるだけで何もしないらしい。
とはいえ放っておくこともできないので警察はパトロールを強化しているみたい。
私としてはそういうのは自衛隊とかに任せればいいんじゃないかなって思うんだけどね。
それともう一つ変わったことがある。
「ねえ聞いた?」
「うん、あの話だよね」
「まさか本当に現れるなんて……」
私の隣を通り過ぎた三人組の女子たちがひそひそ声で話していたので思わず振り返った。
彼女たちの話に出てきたのはこの周辺で起こっている謎の現象についてのことだった。なんでも最近になってこの町に『魔法少女』を名乗る女の子が現れたそうなんだよ。
それを聞いて私は思わず苦笑してしまった。
おいおい!ちょっと待ってくれよ。
こんなんじゃあ、まるで…………
「大丈夫だよ。きっと……」
誰かの声が聞こえる……。
「この世界にだって、希望はあるんだ!」
誰だ!?
「君たちはもう知っているはずだろ?」
何を言ってるんだよ。
「この世界を救えるのは……君たちしかいないんだ!」
うるさい!黙れ!!
「信じようぜ。俺たちは仲間じゃないか」
お前なんか知らない!消え失せろ!! お前みたいな奴がいるせいで……
俺達はこんな目にあってんだぞ!? うるさい黙れ!!! もう二度と来るんじゃねえよッ!!……
この世に存在するあらゆるものが 自分の思い通りにならないことに腹を立てている。
それでも、諦めずに前に進もうとする人間もいるわけだが……。
現実逃避のために始めたゲーム。
それが、いつの間にか人生になっていた。
そして……いつしか本当になりたいものになった。
それは、ゲームで得た知識で世界を救えることかもしれない。
それとも……ただ単に自分が楽しむためにプレイしているのか。
それは誰にも分からない。
そしてまた、これからも分からないままだろう。
だって俺は……ゲームの中の主人公なのだから。
どんなことでも可能になる。
努力すればするほど強くなる。
欲しいものは何でも手に入る。
だから俺は今日もまた、 この道を行く。
どこまでだって行けそうな気がするんだ。
もうすぐ終わる人生だけれど、 今はそれが楽しくて仕方ない。
俺の人生は俺だけのものだ。
誰にも邪魔させねえよ! 夢を追いかけるなんて恥ずかしくてできない。
だからせめて、空想の中だけでも自由に生きてみたいと思った。
憧れた景色の中に身を置いて、ただひたすらに自分の理想を追求したい。
そのためにはまず、現実を見据える必要がある。
今の自分がどれだけ未熟なのか、しっかり理解しておかなければならないのだ。
その上で己の限界を超える努力をする。
それこそが本当の意味での成長なのだと思う。
つまり……
『今』を大事にするってことだ!! 目の前に広がるのは、 果てしない荒野。
乾いた風が吹き荒れている。
そして俺は、一人ぼっち
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