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第十六話:『跪く長』
志乃は震える手でその冷たい金属を受け取り、自らの白皙の喉へと押し当てた。
――カチリ、と絶望的な音が響く。
「……あぁ、いい音だ。これで契約成立だな」
九条が勝利を確信し、志乃の顎を指先で掬い上げたその瞬間だった。
志乃の瞳に、絶望ではなく、忍としての鋭い「牙」が宿る。
「……いいえ、九条。これは、私の術を届けるための『増幅器』よ」
「なに……っ!?」
志乃は首輪の回路を逆利用し、自らの全霊の「気」を一気に流し込んだ。
「清浄の儀、発動!!」
志乃の叫びと共に、銀色の首輪が限界を超えた光を放つ。その浄化の波動は屋敷の壁を突き抜け、広場で狂わされていたくノ一たちの意識を強引に引き戻した。
「……っ、私は……っ! 睦月、如月、今よ! 逃げなさい!!」
副官・小夜の劇的な離反。自らの最高傑作に裏切られ、支配の盤面をひっくり返された九条は、かつてない驚愕に顔を歪めた。
「……信じられん。俺の支配を、自力で撥ね除けたというのか……!」
だが、その驚きは一瞬にして、腹の底から湧き上がるような苛烈な怒りへと転じた。
「……貴様、よくも俺の顔に泥を塗りおったな、志乃……ッ!!」
九条は壁の隠しスイッチを砕かんばかりに叩きつけた。床が割れ、重厚な機械音と共にせり上がってきたのは、強化ガラスに覆われた巨大な縦型カプセル――海外の地下組織で軍事用に開発された禁忌の調教機**「堕獄」**であった。
カプセルの表面には、血のような赤色で不気味な銘板が打ち付けられている。
【WARNING:DANGER】
本機は極めて強力な神経干渉を行う。精神崩壊のリスクがあるため、監視者なしでの単独使用は厳禁。
「海外の好事家が心血を注いだ逸品だ。あまりの危険さに俺ですら使うのをためらっていたが……志乃、お前のその『意志』、この中でズタズタに引き裂いてやる」
楓によって無理やり「堕獄」の中に突き飛ばされた志乃は、両手首を頭上の鎖で吊るし上げられ、脚は機械的なアームによって強制的に左右へ限界まで開かされた。
扉が閉ざされた直後、内壁の無数の穴から、漆黒の粘液を滴らせた生体触手が溢れ出した。
「な、……なに、これ……っ!? やだ、来ないでッ!!」
志乃の叫びを無視し、触手は蛇のように彼女の四肢を縛り上げ、粘液に塗れた最も太い数本の触手が、志乃の奥底へと力尽くで貫入した。
「――っ!? あ、が……っ、あ……ッ!!」
海外製の凶悪な性能が牙を剥く。パルスなどという生易しいものではない。触手の表面に備わった無数の微細な突起が、意志を持つ生き物のように、志乃の最も敏感な箇所を執拗に、暴力的に抉り取っていく。
「あ、あ……あぁぁぁああああッ!!? 犯されて……っ、こんな……ッ!!」
「銘板の警告を忘れるなよ、志乃。この機械は、お前が快楽の毒に脳を焼かれ、廃人になるまで止まらん」
透明なカプセルの中で、吊るされた姿勢のまま、無数の触手に内側から、外側から貪り尽くされる志乃。意識ははっきりとしている。自分が今、どれほど淫らな姿で、機械に身を任せているかを脳が理解させられる。
里を救おうとした清廉な魂は、海外製の「死に至る檻」の中で、終わりのない蹂躙の海へと沈められていった。
次回予告「堕獄」の中で、人道に反する触手凌辱に晒される志乃。
一方、逃げ延びた小夜たちの元へ、九条は「志乃の現在」を映し出す、最も残酷な映像を送り届ける。
次回、第十七話:『蜜の枷』