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「REAL」あるアイドルの光と影の告白

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「REAL」あるアイドルの光と影の告白

第50話 - 第七章　アイドル　１　EP.1「人気」

35

2025年09月04日

#アイドル

#いじめ

#学校

#ストーカー

#第5回テノコン

#ドラマ

蒼乃　月

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蒼乃　月

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ねぇ、アイドルになりたいと思う？

あたしはね、アイドルになんかなれなくったって、別にいいんじゃないかって……。

そんなのは、アイドルやってたから、言えるんだって？

元はアイドルだった人が、アイドルになれなくてもいいって言ったって、ただのわがままにしか聞こえないって？

そうかもね。

実際、ただのわがままなのかもしれないけど。

だけど、アイドルっていうのが、どれだけ過酷なものか、

もっと、わかってくれてもいいんじゃないかって。

あたしは、もともとアイドルになりたかったわけじゃなくて。

たまたま歌ってみた動画が、たまたまプロデューサーとかの目にとまっただけで。

こんな言い方したら、エラそうって言われるのかもね。

だけどさ、連絡もらって東京に出てこないかって言われた時点で、あたしもう18歳だったし。

前にも言ったけど、18で今どきアイドルになれるとか思わないでしょ？

だから、あたしだって、歌手になるつもりで……。

そう、本当は、ソロアーティストにはなりたかったけど、アイドルになんかなりたくもなかったんだよね。

そんな気もちで、上京したものだから、もしデビューできなかったとしても、

好きな歌を歌っていければいいかもぐらいに、あたしは思ってたんだよね。

それにアイドルなんて、まったく興味もなかったし。

あたしは、ただ歌いたかっただけだったから。

そうまで思ってたあたしが、なんでアイドルになったの？って思うよね。

しょせんアイドルが気取りたいだけだったんなら、

とっととやめたら？なんて、言われるのかもね。

だけど、そんなんじゃないから。

アイドルは、あたしの意思なんかじゃなかった。

アイドルには、させられたの。

年も、事務所にごまかされて。

あたしに、何ができた？

「15歳で、『七瀬リオ』として、デビューしなさい」

って、大人たちに言われたら、

東京に出てきたばっかで右も左もわからないような、ただウブなだけのあたしには、それに従うことしかできなかった──。