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GTA3の捏造です
ご本人とはなんの関係もありません
とお葛中心です
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「ぁ”ークソが……」
1羽の鴉が部屋の中心で鳴き声を上げる
天を仰ぎ虚ろを見つめとても気分が良さそうとは言えない様子に
他の鴉の面々が小声であらぬ噂をたてる
「叶さん、ボスなにがあったんすか?」
「さぁ……」
「彼女か?」
「「「あーね?」」」
小声という割には盛り上がり過ぎたのか
ボスの鴉が焼かれたかの様に顔を赤くしてこちらを睨みつける
「ちッ……!」
意心地が悪くなったのか目線を泳がせながら
アジトの外に出て車に乗り込みアクセルを踏む
シートベルトを付けたか確認して
交通法なんて警察も守りやしないこの街の道路をかっ飛ばす
しかし行先なんてありゃしない
いっそこのまま犯罪に行こうかなんて考える
「……」
『また悪い事したんですか?!』
脳裏にあの人の声が再生される
アジトでの会話が影響したのか顔が熱くなってくる
吐き出したい羞恥心を息にしながらハンドルを握りしめる
「犯罪はやめとくか……」
別にあの人は彼女でもなんでもない
たかが救急隊とギャングという関係
関わり無しで生きる事は出来ないんだ
だがあの人の悲しむ顔を見たく無いというただのワガママに駆られただけだ
「…ぁ?」
ふと横に違和感を感じる
横の黒色の車、なにか違和感がある
違和感の正体を見つける為に記憶を巡らせる
顔を赤くした時も隣にいた
羞恥心を息に変えてる時もいた
アジトを出た時
「…いたな」
つまり俺は付けられてる
それにいつもなら騒がしい無線が無音
無線をジャックされたか?ありえねぇだろ
「…」
「アタックするか…」
鴉に喧嘩売った事
後悔させてやる
カチャ
「は?」
窓越しに移る相手はチャカを構えこちらを睨む
フードやなんやらで顔は見えないが、明らかな殺意や憎しみだけは感じる事は出来た
「やべッ…!」
その抵抗も虚しく、銃弾が窓を突き破り
右肩にめり込み、燃える様な痛みが全身を襲う
鮮血が吹き出し視界が狂う
手の操作が効かなくなる
バコーンッ!!
車が歩道に突っ込む、意識が朦朧としてくる
相手の車から何人か人が降りてくる
全員黒のパーカーを来ていて、ズボンには派手なサイリウムカラーのロゴが書いてあった
なんと書いてあるかは分からなかった
「ぉ……いッ、テメェらッッ…」
派手に髪を鷲掴みされて 車の方へ引きずられる
抗おうとするが体に力が入らない
救急隊に救難信号を届けた方がいいのだろう
だけど
『葛葉さんっ!』
「クソ…が……」
あの人に迷惑を掛けたく無い
あの人が来るって決まった訳じゃない
それに鴉の連中もそこまで疎くない。だから俺はアイツらを信じて待つしかない
段々と意識が薄れてゆく
何かを話している気もするが、それより命がヤバい
引きずられるがまま車に乗り込ませれて
手足を固定されてトランクに雑にほおりこまれる
そのまま車はエンジンを掛け、街の中心部から離れて行く
外の風景は見れないが、そんな気がする
トランクから出されて
足枷を外される
着いたのは殺風景な廃ビル
今からここに立てこもりますとでも言いそうな雰囲気だ
そして何故かもう1台車がある
アイツらの仲間の1人がトランクを開けて誰かをトランクから取り出す
「はッ…?」
「痛ッ…ごめんなさいッ…何もしませんからッ」
「…ッ、葛葉さッ……?!」
そこに居たのは金髪に赤いリボンで2つのお団子の髪を結んだ人
「とおこさんッッ……」
とおこさんが居た
正直状況がよく分からない
俺が拉致られてるだけで意味分からないのに
なんでとおこさんまで…
「おいお前ら、こっちに来い」
「葛葉さッ……」
「…行きましょうか」
ここで抗うとどうなるかわからない
俺だけならまだしも、とおこさんまで危険に晒すのは不味い
俺達はアイツらの言われるがまま廃ビルを登って行く
「ッ……はぁッ……」
何分階段を登っているのだろう
もう足が痛くなってきた。逆になんでコイツらは大丈夫そうなんだ
「っうぅ〜……ッ」
とおこさんも疲れてきてる
まぁここでら何か言っても聞く耳は持たねぇんだろうが
「ここだ、大人しく待っていろ」
「あぃ」
「はッ……はいッ……」
廃ビルの柱に手足を縛り付けられ、まるでついでかの様に俺ととおこさんの手を手錠で繋がれる
一瞬コイツらぶちのめしてやろうかと思ったが
これだけで行動は制限されるし、多分俺を暴れさせない様にって事だろう
まぁそれでもぶちのめしてやりたいが
そんな気持ちもアイツらは知る由もなく、誰かと電話をしている様だった
口調からして仲間では無さそうだ。
「……?」
聞き耳を立て、よく聞いてみると相手は警察の様だ。人質がーーーとか、鴉がーーーとか、救急隊だーーーとか、
ふざけた事を抜かしやがる
「葛葉さん…これッ、どうしたらッ……」
「大丈夫ですよ、アイツら強いし」
「…鴉と救急隊のみんなに迷惑かけちゃうな」
一筋の涙がとおこさんの目からこぼれ落ちる
ここで泣かない白市民がいるだろうか
この人は十分頑張ったんだ
「大丈夫、泣いてもいい。信じましょ」
「だからー……大丈夫ですよ」
こんな状況なのに言葉が詰まる
いや、こんな状況だからかも知れない。だけど人1人さえ励ませられない
「クッソ……」
俺、馬鹿だな