💛「ショウタ…?」
朝、日光で目を覚ますと、男は消えていた。代わりに、昨日の白い猫が、隣で可愛いイビキをかいて寝ている。
猫もイビキとか、かくのか。
頭を撫でてやると、少し、身じろぎした。
まだ寝ていたいらしい。
起き上がり、ベッドから出ると、足元にはショウタに着せたはずのTシャツやジャージ、そして下着が落ちていた。
……全部脱いで出て行ったのだろうか。
捕まるぞ。
ほんの少し、ショウタが心配になったが、仕事に出掛けなくてはならない。
俺はシャワーを浴び、着替えを済ませ、簡単な朝食を作っていた。
ーニャーン
💛「あ。起きたの」
足元にすり寄ってきたので、小さな平たい皿にミルクを入れた。下に置くと、ぴちゃぴちゃと器用に舐め始めた。
あと、猫の好きそうなものは…。
💛「ささみ…。食うかな?」
パックから鶏のささみを取り出して、一口大に切って、出してやったら、喜んで食べている。
💛「やばい、行かなきゃ」
俺は、白猫の頭を一度撫でて、慌てて家を出た。
💜「猫の好きな食い物ぉ?」
職場の先輩の深澤さんに聞いてみるが、知らないと言う。
💜「佐久間なら知ってるかもな。猫飼ってっし」
と、隣りのデスクを小突く。さっきから、契約書がうまく書けないとぼやいている、明るい髪色をしたもう一人の先輩がうるさそうにこっちを見た。
🩷「普通にキャットフード買えよ」
💛「確かに」
🩷「それにさっきから聞いてたら、首輪嵌めてるんだろ?飼い主探してやんなよ」
💛「確かに」
🩷「飼い主今頃、青い顔して探してるぞ」
💛「そうですね……」
俺は軽く礼を言うと、自分の席に戻り、間違っても残業を食らわないようにそこからは目の前の仕事に集中した。
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飼い主は舘さんかな?