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こんばんは人類+αです。
休日でやることがなく、とんでもなく暇なのでもう1話書くことにしま した。
それではどうぞ。
ロシア視点
ざわめく教室が、嫌いだ。
笑い声も、机を叩く音も、全部うるさい。
特にアメリカの声はよく通る。
明るくて、軽くて──そのくせ、誰よりも目立つ。はっきり言ってうぜぇ。
俺はあいつのことを、超がつくほど嫌いなので日本がアメリカの声に反応すると、アメリカに対してイライラしてくる。
日本が笑う。
それを見て、アメリカも笑う。
その空気が、まるで“二人だけのもの”みたいで、耐えられなくなる。
……日本に触んなよ。
アメリカが俺のことを挑発してきた時、怒りのボルテージがMaxになりそうだったが、何とか理性で耐えしのいだ。しかし反撃しないのも癪なので、誰にも気付かれないレベルの舌打ちをした。
俺は昔から、アメリカのこういうところが嫌いだった。
人の懐に簡単に入り込んで、何も知らない顔をする。
何もかも持っているくせに、さらに手を伸ばそうとする。
──それを見ているだけの俺のことなんて、知りもしないくせに。
日本と初めて言葉を交わしたのは、自己紹介のあとだった。
机の端からこぼれた鉛筆を拾って渡しただけ。
たったそれだけのことなのに、日本は小さく「ありがとうございます」と笑った。
その瞬間、胸が焼けるように熱くなった。
その笑顔を、誰にも見せてほしくなかった。
だから、アメリカが日本に近づくたびに、息が詰まる。
あいつの軽い手が、日本の髪に触れるたびに、視界が赤く染まる。
──本当は、全部壊してしまいたい。
だけど日本の前では、そんなことできるはずもない。
話しかけようとすると、喉が詰まる。
「ロシアさん」って名前を呼ばれるだけで、頭の中が真っ白になる。
不器用で、どうしようもない。
けれど、その不器用さの奥にある感情だけは、誰にも渡さない。
放課後、日本がアメリカと一緒に帰っていくのを見送る。
二人の背中が並ぶその光景が、視界から消えた瞬間──
胸の奥で、何かが静かに切れた音がした。
「……うるせぇんだよ」
誰に向けた言葉か、自分でも分からなかった。
ただ、明日もまたアメリカの笑い声を聞くことになると思うと、眠れなかった。