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──しかし、標高3000m程に達した頃、異変が起きた。犬たちが唸り声を上げ、立ち止まったのだ。
見れば、足がすくんでいる。なにかに怯えてるようだ。
山脈に向かって吠え続けている。
梓「どうしたのかしら…。」
犬たちは言うことを聞かず、一歩も動こうとしない。
あまつさえ、何匹はリードを引きちぎり、猛スピードで引き返して行ってしまう。
凜々蝶「ワンコロ〜〜!!」
コージー「おいっ!マジかよ、何だってんだ…!」
K2「コージー、何かしたのか?」
コージー「い、いや、俺は何も。」
K2「そうか。まあ仕方ない。行程が1000m伸びただけさ。行こう。」
凜々蝶「え、犬はいいんですか!?」
K2「追いかけたとしても、恐らく追いつけないだろう。」
ここから本格的な登山が始まる。
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本日の天気は降雪。
雪で目の前が見えなかったりするため、一応停滞出来ますが、全員はそのまま行くと決意した。
登山は毎回順番にナビゲートをして進むことになった。(梓から順番にナビゲート。)
梓「こっちよ。」
凜々蝶「順調な出だし…、!」
次は黒の番だが…
黒「相宮さんすみません、ナビゲートは苦手なので任せてもいいですか?」
直央「しょうがないな…。」
直央に肩代わりをお願いする。
直央「…こ、こっち…?」
黒「そっち違う!」
凜々蝶「ダメだこりゃぁ…」
そこで、アクシデントが起きる。
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眼前に、蜃気楼(しんきろう)が浮かび上がる。
その蜃気楼が空間へ逆さまに映し出された光景は、人類の技術力では到底想像し得ない、機会な建築物からなる巨大の都市の姿だった。
幾何学法則を不気味に歪ませた石造物の群れ。
円筒形や立体、円錐や四角錐を組みあわせた塔、五角の星型を積み上げたようなテーブル上の建物。
これら熱病が運んだ悪夢としか思えぬ建築物の姿が、視界の果てまで延々と続いていた。
なぜ、未踏の山脈にて、このような異色の文明の跡が浮かび上がったのか。
訳が分からぬまま、蜃気楼は揺らめいて消えていった。
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蜃気楼が起き、凜々蝶は狂気的な状態に陥ってしまい、 凜々蝶は早口でぶつぶつ言う意味不明の会話あるいは多弁症に。
凜々蝶「ぬぽぱきんぐぱっきんちょぐぱぐせっち…」
K2「み、緑井くん、!?」
直央「り、凜々蝶くん!?」
コージー「緑井!?」
梓はパニックになり、突如山に背を向けて逃げ出す。
梓「きゃあああっ…!!!」
逃げ出した梓を皆で追いかけたということで、今日はキャンプで停滞。
K2「もう時間も時間だし、今日はビバークしよう。」
直央「まさか急に背中を見せて逃げ出す人が居るなんてね…。」
黒「変なこと言い出してる人もいましたけどね…」
凜々蝶「いやー今日は疲れましたね!」
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