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どのくらいの時間が経っただろう。 他愛のない会話を交わしていた時間は、いつの間にか熱を帯びた静寂に包まれていた。
ふと、瀬名が身を寄せる。
「ねぇ、部長。そろそろ……場所、変えませんか?」
その声は甘く湿り、耳元に直接吐息を流し込んでくる。
「……早く、誰にも邪魔されないところに行きたい」
ぬるりと這うような指が太腿の内側を撫でた瞬間、理人は咥えていた煙草を落としそうになり、慌てて指で支えた。
「……言うじゃねぇか」
低く笑って返すと、瀬名が艶めいた瞳で見上げてくる。
「部長だって、本当は……期待してたんじゃないですか?」
「チッ……うるせぇ。……でもまぁ。こんなとこで手ェ出されたら堪んねぇから、さっさと出るぞ」
今更取り繕う必要もない。理人は煙草を灰皿に押しつけると、コートを羽織った。
瀬名が会計を済ませて店を出ると、刺すような夜気が全身を包む。
「さみぃ……」
「ですね。……でも、すぐにあったかくなりますよ」
足早に通りを抜け、かつて一夜を共にしたホテルへと向かった。 パネルで適当に部屋を選び、エレベーターに乗り込んだ、その瞬間――。
不意に、腕を引かれる。
「……っ!」
驚く間もなく、瀬名の腕の中に引き寄せられ、そのまま壁に背を押しつけられた。 顎を掬われ、見上げた先にあるのは、妖しく揺れる漆黒の瞳。
気がついたときには、熱い唇が自分の吐息を塞いでいた。
湿った舌が強引に滑り込んでくる。戸惑う暇すら与えず、口内を蹂躙し、舌を絡め取られる。
「……んっ、ちょ……おい、バカ……っ! まだエレベーターの中だぞっ……!」
「平気です。僕らしか乗ってませんから」
「そういう問題じゃな――っ、ん、ぅ……」
制止の声を上げようとする口を再度塞がれ、今度は吸い上げるように深く繋がれる。 貪るような激しいキスに翻弄され、理人の腰に甘い疼きが走った。
「ふ、ぁ……、ん、くそ、はぁ……っ。ふざけんな、いきなり……」
「ん、ふふ……。可愛い……」
ようやく解放され、肩で息をしながら睨みつける理人。 瀬名はうっとりとした表情で囁くと、仕上げのように、もう一度だけ軽く触れるだけの口づけを落とした。
同時に扉が開く音がして、理人はありったけの力を込めて瀬名を押しのけると、足早にエレベーターを降りた。
「全く……何を考えてるんだお前は! いくら誰にも会わない設計だからって、あんな場所で……っ」
「どうしても、我慢ができなかったんです」
「な……っ」
瀬名は悪びれもせず、それどころか開き直った様子でさらりと言い放つ。 見せつけるようにネクタイを緩め、理人を真っ直ぐに見据えた。
「言ったじゃないですか。運命の出会いだって。……僕は貴方とこうしたくて堪らなかった。貴方が欲しくて、堪らないんです」
案内灯に従い、部屋のドアをくぐる。 だが、その瞬間――。理人は背後の壁に向かって、力任せに突き飛ばされた。
「うわっ、何しやがるてめぇ!」
振り向くより早く、瀬名が後ろから覆いかぶさってくる。 慣れた手つきでベルトを外され、スラックスと下着を一気に膝まで引き下ろされた。 呆然とする間もなく、四つん這いに近い格好で尻を高く突き出させられる。
露わになったそこへ、ぬるりとした感触が走った。
「は!? おい、何して……バカ、やめ……っ!」
「嫌じゃないくせに」
瀬名は左手で尻たぶを割広げると、ぴちゃぴちゃと音を立て、窄まりに舌を這わせ始めた。
「や、あ……っ! やめろ、てめぇ……っ」
肉厚な舌が内部を抉る感覚に、背筋が粟立つ。 熱い吐息が吹きかかるたび、そこは自らの意志に反してヒクヒクと収縮を繰り返した。
「あっ、あ……っ、い、いやだ……っ! 汚ねぇよ、そんなとこ……ッ」
「部長のココ、すごく綺麗で美味しいですよ。ずっと、こうやって味わいたかった」
「くそ、変態……っ」
「はは。お尻舐められて感じまくってる貴方に言われたくないですよ。ほら……誘うようにヒクついて、凄くいやらしい」
瀬名はうっとりと吐息を漏らし、さらに奥深くまで舌を潜り込ませた。 未知の快感が脳天を突き抜け、膝がガクガクと震え出す。壁にしがみついていないと、立っていられない。
ドアノブに必死にすがりつき、無意識に腰を突き出す理人。 その反応を楽しむように、瀬名は執拗に舌を抜き差しした。 じゅぷ、ぐちゃ、と卑猥な水音が鼓膜を震わせる。
「はぁ、やめ、ぁ……っ。瀬名……せめて、ベッドに……っ」
「ダメです。ここでしたい。……もう、一秒も我慢できないんです」
瀬名が顔を離すと同時に、硬く張り詰めたペニスが双丘の間に押し当てられた。
「はぁ……部長のおしり、気持ちいい……」
「……っ、くそ……変態が……っ」
ほんの数メートル先にベッドがあるのに、急いた唇が肩口や背筋に吸い付いてくる。
「んぁっ! やめ……っ」
肩甲骨のくぼみをねっとりと舐め上げられ、理人は短く悲鳴を上げた。 瀬名の舌はまるで別の生き物のように、理人の背骨を執拗に辿っていく。
瀬名は背中に何度も口付けを落としながら、腕を伸ばして理人の性器を握り込んだ。 背筋をなぞる舌と、前を扱きあげる手のダブルの刺激に、理人の理性が白濁していく。
「……んぅ……あぁ……っ」
「……声、我慢しなくていいんですよ」
「うるせぇ……っ! は、あ!」
亀頭の括れをきゅっと摘まむように刺激され、理人は慌てて自分の手で口を塞いだ。
「だぁめ。もっと聞かせてください。貴方のその声……堪らなくそそるんですよ」
「ばっかやろ……んん……っ」
瀬名の手の動きに合わせて、勝手に腰が揺れる。 もっと強くしてほしいのに、瀬名はわざと焦らすようにゆっくりと指を動かす。
「ふふ……腰、揺れてますよ? 可愛い。……あぁ、もう無理。早く一つになりたい」
切羽詰まった声とともに、瀬名の欲望が秘孔へ押し当てられた。 散々焦らされたそこは、あっさりと彼を飲み込み、奥へと誘うように蠢く。
「はぁ……入っちゃいましたね。全部、根元まで……ッ」
「くそ……てめぇ……っ! こんなとこで……っ、ああ!」
理人は睨みつけるが、瀬名は意に介さず、ゆるりと腰を使い始めた。 ゆっくりとした律動が、確実に一番敏感な部分を捉える。 そのたびに媚肉が悦び、うねるように男根へと絡みついていく。 瀬名は背後から理人を抱きしめ、耳元で甘く囁いた。
「っ……やっぱり、貴方の中、熱くて……最高に気持ちがいい」
「ふぁ……あっ……! んん……っ」
「ねえ、部長も気持ちいいんでしょう? 僕たち、最高の相性だと思うんです。身体も……精神も」
「何言っ……あ! バカ……あっ、あぁ!!」
耳朶を食まれながら、中を激しく突かれる。 全身から力が抜け、ズルズルとしゃがみ込みそうになるのを、瀬名が腰を掴んで無理やり立たせた。
「部長のイイトコロは、全部把握済みです。……だから、僕に任せて。全部委ねて……?」
結合部からはぬちゅぬちゅと淫靡な音が響き、白濁した液体が二人の太腿を濡らしていく。
「ひぁ! あ……っ、んぁ……くそ……ぁ! だめ……だぁ……ッ」
「可愛い……」
最奥を穿たれるたび、電流のような快楽が意識を飛ばしていく。
「あっ……く、ぁ、ああ……っ! まて、もっとゆっくり……っ」
「はぁ……っ、無理……っ! 出そ……っ」
肉と肉がぶつかり合う乾いた音が激しさを増す。 一際深く、熱杭が最奥に打ち付けられた瞬間、熱い飛沫が腹の奥に注ぎ込まれるのを感じた。
「あああああ――ッ!!」
目の前が真っ白になり、声にならない悲鳴を上げながら、理人は弓なりに身体をしならせて絶頂を迎えた。