テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
静かな夜。
あの騒ぎが嘘みたいに——
シェアハウスは、いつもの空気に戻っていた。
「……」
リビング。
それぞれが、思い思いに過ごしている。
「ねぇ」
ゆあんくんが、ふと口を開く。
「結局さ」
「……?」
「これからどうすんの?」
その問い。
「……」
一瞬、空気が止まる。
「……」
もふくんとうりが、顔を見合わせる。
そして——
「……どうもこうも」
うりが、軽く笑う。
「普通に生きるだけだろ」
いつも通りの口調。
「……」
ゆあんくんが、少しだけ苦笑する。
「普通って何……」
「……」
もふくんも、少しだけ笑う。
「それでもさ」
静かに言う。
「ここで過ごす時間は、大事にしたい」
その言葉。
「……」
のあさんが、優しく頷く。
「うん」
「……」
ヒロくんも、小さく笑う。
「それでいいと思います」
「……」
少しだけ、空気が柔らかくなる。
―――
夜。
屋上。
「……」
もふくんが、空を見上げている。
「……何してんの」
後ろから声。
「……」
振り向かなくても分かる。
「……うり」
「暇だったから」
隣に立つ。
「……」
しばらく、無言。
風の音だけが流れる。
「……」
うりが、ぽつりと呟く。
「戻る気、ねぇだろ」
その一言。
「……」
もふくんは、少しだけ目を細める。
「……うん」
はっきりと。
「もう、いいかなって」
静かな声。
「……」
うりが、少しだけ笑う。
「だよな」
「……」
「つまんねぇしな、あっちは」
軽く言う。
「……」
もふくんも、小さく笑う。
「……うん」
「……」
少しの沈黙。
そして。
「……でもさ」
もふくんが、ゆっくり言う。
「もし、また来たら」
「……」
うりが、横目で見る。
「どうする?」
その問い。
「……」
もふくんは、迷わない。
「……守るよ」
静かに。
でも、強く。
「全部」
その言葉。
「……」
うりが、ふっと笑う。
「いいね」
「……」
「じゃあ、俺も」
軽く肩をすくめる。
「付き合うわ」
その一言。
「……」
もふくんが、少しだけ驚く。
「……いいの?」
「今さらだろ」
笑う。
「……」
2人の間に、静かな空気が流れる。
でも。
もう——
昔とは違う。
「……」
守るものがある。
隣に、誰かがいる。
「……」
それだけで。
十分だった。
―――
“無敗だった2人”は。
もう、戻らない。
過去には。
あの世界には。
でも——
「……」
今、この場所で。
笑っていられるなら。
それでいい。
それが——
2人が選んだ、“平和”だった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!