莉犬ver
頭の中に今までの記憶が流れていく。
俺が生まれたのは5月の中盤で、少しずつ
終わりへと足を運びつつある頃だった。
俺の家は裕福な家ではなく、借金まで背負ってしまうような貧乏な暮らしをしていた。
俺が小学生4年生の時、おじさんたちが来た。
いつものように借金取りのおじさんだと思い、玄関のドアを開ける。
しかし、いつもの風貌とは少し違う。
黒いスーツをきて、帽子を深く被っている。
顔も体型も、何もかもが分からない。
?「お金が足りないようだね」
母親は俺の前に立ち、守るように手を広げる。
母「誰ですか?」
母「出てってください」
母「莉犬、後ろに行きなさい」
莉犬「わかったッ」
?「チャンスですよお母さん」
?「お金欲しいんですね?」
?「夜勤まで仕事パンパンにして…」
?「辛いでしょう…?」
母「それはッ…」
?「お母さん、楽に過ごしたいでしょう?」
そのおじさんはまるでお母さんに魔法をかけるように、言葉を放つ。
?「お教えしましょうか?」
?「その前にこの紙にサインお願いしますね」
母「何をッ…するんですか…?」
?「はっは…!」
?「そんな怖いものじゃないですよ」
?「ご安心を。」
お母さんは迷いながらもペンを握りサインする。
?「ニコ、サインありがとうございます!」
?「それではぁ…お子さん下さい」
母「ちょっとッ…そんなの聞いてないッ」
?「あなたにはなにもないでしょう?」
?「食費も浮きますよ?」
?「ご飯は貴方のものですよ」
?「この家のもの全て貴方のものです」
?「ねぇ?素晴らしい計画でしょう?」
お母さんの目にはもう俺はいない。
お母さん「そうですね…」
お母さん「こいつなんか…私の障害物です」
お母さん「あいつと別れたのも…」
お母さん「こいつのせいだもの…」
お母さん「こんなやつ…いらない…」
莉犬「お母さんッ…!!」
莉犬「そんな事言わないでッ…!」
莉犬「目を覚ましてッ…!!」
お母さん「あんたなんてッ…!!」
お母さん「タヒねばよかったのよッ…!!」
莉犬「そんなッ…」
たしかにそうだった。
お母さんの人生の障害は明らかに俺だ。
俺のお父さんは子供が嫌いらしい。
だから俺が生まれるとわかった時。
俺のお父さんはこの家を出ていった。
もともと、違う女がいたようだ。
つまり、お父さんにとって好都合だったということ。
それからは、お母さんが1人で働きに出て俺の食事代などを払うようになった。
お父さんからのお金の振込はない。
何度も連絡はしてみたけれど、
一度も繋がることはなかった。
?「ほら、おいで坊や」
?「莉犬といったかな?」
?「ほら、私達の元へくるんだよ」
?「もう辛くない…」
俺は無理やりに体を動けなくされて、
その場でしゃがまされる。
?「薬を飲ませろ」
?「私はお金を渡す」
目の前であいつは、箱いっぱいのお金をお母さんに渡す。
お母さんの目には今まで見た事のないような、
光があった。
?「飲め」
説明もされてない飲み物を飲むわけが無い。
?「お母さん〇しちゃうよ?」
?「いいの、坊や?」
もう俺の人生には関係ない。
だけど、あんなお母さんを見て誰が止められるのだろう。
莉犬「飲むッ…飲むからやめてッ…」
?「いい子だね」
そういって手に持った飲み物を口に含む。
飲んだ瞬間、体は火照って、動けなくなった。
先程までは開いていた目も、今ではもう開けない程に眠くなっている。
?「ほら、寝てしまいなさい」
そう言われると、俺の体は言うことを聞くように眠りに落ちる。
きっとこれは人体実験だ。
それとも…人身売買かな。
俺はタヒんじゃうのかな。
そんなことを考えながら、意識を失った。
視点が変わった。
これはきっとあのおじさんの支援だ。
?「寝たか?」
?「はい、少し手間はかかりましたがね。」
?「ふ、いい気味だ」
?「さぁ出るぞ」
?「あいつは?」
?「もう浮かれて外に出たさ」
?「ふ、馬鹿なやつだ」
?「子供よりお金だとよ?」
?「醜いものだ。 」
?「この先が、楽しみだな」
?「えぇ」
そんなにお母さん浮かれてたんだ。
お母さんにとって俺はこんな存在だったんだ。
じゃあ、お母さんにとってこれは奇跡だったんだね。
_誘拐されてもう何日がたったのだろう。
あの日から、毎日のように薬飲んでいる。
中身はよく分からない。
でも、きっと本当は飲んじゃいけない。
?「おい、薬だ」
今日もまたそれを口に含む。
それは、少し毒々しい色をしていて、
あまり飲む気はしてこない。
?「また飲まないのか?こりないな」
?「お母さん、どうなってもいいの?」
なんでまた言うものだから、俺はいうことを聞かなきゃいけない。
早くこんな毎日終わればいいのに。
こいつらは、殺す気はないらしい。
あの脅しだって1度だってそれらしきことは、されていない。
それに俺だってそう。
すぐに〇されると思っていたのに。
案外まだ生きている。
この薬を飲むと頭がふわふわする。
飲んだあとのことは、もう何も覚えていない。
少しずつ、なにか大切なものが薄れていくような感覚はあるが、それははっきりとはわからない。
そうだ、俺はAIプログラム0524番。
そんな名前で呼ばれていた。
そして、俺の記憶はある日を境に消えている。
過去のことを思い出そうとしても、ひとつとして思い出せるものは無い。
懐かしいと感じることはあったとしても、
それがなぜかはわからない。
でもきっと、人間そんなものだろうと。
何となく、生きていた。
そういえば…、彼らはどこに行ったのだろう。
記憶が無いあの日から以降に彼らに会った記憶がない。
あー、俺逃げれたんだ。
不思議と開放感に満たされていた。
そんな、最高で最悪な毎日だった。
まるでおとぎ話のような話だった。
いつまで経ってもその事実を信じることはできずにいる。
莉犬「俺ッ…って、だれなの…」
莉犬「俺ッ今からどうなるの…ッ?」
莉犬「俺まだタヒにたくないッ…」
さとみ「今強制再起動してるんだから、 」
さとみ「黙って待ってろ」
るぅと「どうなるんですか?これから、」
さとみ「…」
さとみ「それは少ししたら話す」
るぅと「どうしてですかッ」
るぅと「僕は信用できませんか?」
るぅと「お願いですッ教えてください…」
さとみ「こいつの記憶は全て消える。」
さとみ「その後に修理業者に行く。」
るぅと「記憶を消す…?」
るぅと「どうしてそんな大事なことッ」
さとみ「言ってどうすんだよ」
さとみ「こいつの記憶が無くなるか、」
さとみ「もしくは壊れるかだ」
さとみ「お前はどっちを取る」
さとみ「今ならまだ止められる」
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しばらく投稿できてなくてすみません!
実は今日”誕生日”なんです…!
祝ってくれたりしないかなぁ…って、ちょっぴり思っちゃったり…してて、?笑
あの、はい、待ってます、笑
コメント
4件
遅いですがお誕生日おめでとうございます!🎉いい人生にしてください🎂!
コメントしてくださってる方いらっしゃりまよね多分…? バグなのかここ最近ずっと見れなくて…。 見れるようになったらお返事書かせていただきますね!! 次のお話も読んでみてくださいね。