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ジルとベスの巣穴から出てきた子どもたち。きっと優しい人間の父親であれば、ほっこりしたりすることでしょう。確かに、他のオスや、ピータもほっこりとしました。しかし、時が少しずつ経つにつれ、『ある疑惑』が浮かび上がって来たのです。前話の、「ピータと恋の季節」でも書いたようにパートナーではないオスとも子を産んだりするのです。どうやって見分けるかと言うと、匂いです。小さな子供のプレーリードッグには、子供特有の匂いがあります。その匂いは、遺伝子情報のようなもので、嗅げばすぐに誰が親か一目瞭然です。だからピータやオスたちは生まれた子どもたちの匂いを嗅ごうとします。もし、嗅いだ匂いが別のオスの匂いだったらどうなるか。そうなると悲劇が起こります。自分ではないオスの子供は、殺すまで。だから、子供たちにとって最大の敵は、夫であるオスなのです。無論、ピータも、妻、ジルとベスにあの、『ある疑惑』を抱いています。「メスたちが運だ子は、はたして自分の子なのだろうか」、と。ジルもベスもそのことを見越していて、絶対に我が子をピータに近づけません。ですからピータたちオスは、メスたちの隙を伺って、やろうとします。
しかし、ベスが出かけた時、ピータはベスの子の匂いを嗅ぐことに成功しました。一匹ずつ、くんくんと嗅いでいきます。そして、ふらりと立ち去りました。どうやらピータはベスの子供たちが自分の子だと認めたようです。ベスはそれを見て慌てて駆けつけました。認めても油断は禁物です。ですが少しだけ安心することができました。