「あっ….」
この影が『バケモノ』ではなく『ニンゲン』だという、わずか1%もない可能性にかけて恐る恐る後ろを振り返る
当然、『バケモノ』であったわけだが
『バケモノ』であることが確定した瞬間、俺の足は、体は全速力で前に進み始めていた。こんな所で『バケモノ』に殺されるわけにはいかないのだ。
どれぐらい走っただろうか。日はもう既に暮れかけていて、周りの景色も…いや、景色は特に変わってるわけないか。
どこを見ても瓦礫の山しかないこの世界で自分の場所を把握することは極めて困難だ。
…と、真面目に考えているが、これはいわゆる現実逃避だ。俺にはこんなことより先に考えなければいけない問題がある。
そうだ。走り出す前から迷子だったのに、走って走ってまた走った先が俺が知っている場所なわけがないのだ。
そして当然、メテヲも…
────────────ザッ…
後ろから足音…それに、メテヲの足音じゃない。つまり…考えたくはないが、最初の『バケモノ』がここまで追いかけて来たのだろう
また、前に歩を進めようとして絶望する。
完全に『バケモノ』に包囲されている。
「えっ…あ…嘘…」
目の前の現実に耐えきれずに吐きそうになるだけど、これで諦めていたら俺は完全にメテヲのお荷物ということを認めないといけない
…いや、そんなことはとうの昔に認めているが、でもここで何もせずに諦めて『バケモノ』に殺されるのは何か違うと思った
「…」
だからこそ、ここで俺は自分の全力でこの『バケモノ』の相手をすることを決めた。
そこら辺に落ちていた鉄パイプのようなものを雑に手に取る。そして、目の前…いや、後ろにもいたわ…
気を取り直して、全方位の『バケモノ』に
敵意を送る。これは俺が生きたいがための全力の抗いだ。
コメント
12件
いや、後ろにもいたわ…でずっとツボってるwww
んんんんちょっと君更新早すぎないか…!? それはそうとして行けiemonnさん蹴散らせ!!!
iemmさんやったれぇぇぇ!!