──────────ザシュッ…
「あ”っ…ぐ!?」
数発の弾が横腹を撃ち抜く。その瞬間、なんとも言い難い鋭い痛みが全身を巡る。
この不毛な戦いが始まってから、もう既にどれだけたったかわからない。
今、この場に立っている『バケモノ』は最初の半分程度…半分と言えばあと少しだと思うかもしれないが、もとが50…いやもっといた。だからまだ結構いるわけだが
これを考えていて思ったのだが、俺、すごくね?いつも戦闘はメテヲに押し付けっぱなしだった俺がこんなにやれるなんて、俺でも初めて知ったわ…
─────────グオォ…
「うるっさいなあ…」
こいつらは俺が考え事をしている時に限って邪魔をしてくる。俺も早くこいつらをどかして今すぐにでもメテヲのもとに帰りたい訳だが、現実はそう甘くないようで
──────────ザッ
またあいつらが全員で連携して俺を食べようと襲いかかってくる。先の尖った針のようなものやら、筒のようなものの先端から弾を発射してくるやら、忙しいやつらだ
1発、2発…3発、次々と俺の命を刈り取ろうと迫ってくる弾丸を避ける度に鮮血が宙を舞う。今気づいたが、ここまでに相当なダメージを食らわされている。
何発目だろうか…多分8発目ぐらいの弾を避け、地面に足をつけた瞬間、視界が歪む。
「え…あっ…?」
足がふらつき、目線が目の前の『バケモノ』から血塗れの地面へと移る。
そのまま俺の体は重力に従って…
意識が途切れる瞬間、遠くからなにかが俺の方へ走ってきている気がした…いや…なにかではない。紛れもなく『バケモノ』が
パチ…と、目が覚める。あの、倒れた瞬間、死を覚悟していたのだが…驚くことに俺は生きていた。神様は俺にまだ地獄を見ていてほしいらしい。
まあ、今生きているならやることは一つだ。現状の…把握。パッと見た感じ、今俺が寝ていた場所はまた俺の知らない場所だ
いまさら、この世界を大冒険したところで、俺にはなんの得も無いわけで…
とりあえず、その場に立ちあがる。そのままここがどこかも分からないまま前へと進む。逆にそれ以外に選択肢がない。
この場所で永遠に寝ているのも嫌だし、何よりメテヲに迷惑を…もうかけてるわ…
体感、すでに数時間はたっている。つまりメテヲもさすがにマズいと思うだろう…
うん、やばくない??思ってた数百倍やばいよね?今の状況さ。まず、どこかもわからん場所で数時間も迷ってるでしょ?メテヲにも当然迷惑かけるでしょ?
「俺…これからどうする?」
コメント
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いぎででよがっだぁ゙ぁ゙ぁ゙泣
ありがとう…ありがとう…それしか言葉が見つからない…!!!!! (iemonさん生存してて喜)