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あ
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#虐待
ruruha
269
やっほ主です!
活動休止中ですが、この話はハロウィンの話なので投稿しました!
オリキャラなどのことはプロフィールで見せます。
それでは本編スタート!!
ハロウィンの夜。
街には仮装した人達と明るいネオンの光が溢れてた。
🔮「ついにハロウィンだ!みんなすごく楽しそう〜」
🖤「にゃ〜お」
クロエの肩の上には黒猫のノワール、愛称ノワがあくびをする。
🔮「ノワ、今年の魔女の仮装めっちゃ良くない?」
ゆっくり歩いていると、クロエは突然足を止めた。
賑やかな街から少し離れた薄暗い路地にあきらかに周りの人たちから浮いている『三人組』がいた。
🔮(……すごい。あの人たちの仮装、リアルすぎる……!)
一人は、白い布をすっぽり被った、宙に浮かぶおばけ。
一人は、鋭い犬歯と黒いマントが妖しく光る吸血鬼。
一人は、ふさふさの毛並みと鋭い爪を持つ狼男。
周りの人は避けるように歩いているのに、大のホラー好きであるクロエはトコトコと迷わずに裏路地へと入っていった。
🔮「あ、あの…!その格好、すっごくかっこいいですね!!」
🧛♂️「……お前、俺たちが見えるのか?」
🐺「ガウッ!?人間の子どもだぞ!怖がらずに話しかけてきたぞ!」
👻「わあ、可愛い魔女帽子!ねえねえ、僕たちのこと怖くないのー?」
白い布のおばけが、クロエの顔の前にふわふわと飛んでくる。よく見ると、足がなくて完全に透けていた。
🔮「ふわふわしてる…。もしかして、仮装じゃなくて本物なんですか?」
🧛♂️「察しが良いな。そうだ、俺たちは本物のモンスターだ」
👻「ハロウィンだから、この世界に来てみんなを驚かせに来たんだ〜」
🔮「本物ですか!?すごいです……!本物のおばけに会えるなんて、最高のハロウィンです!」
🐺「ガウッ!?この人間、喜んだぞ!?」
👻「怖いの得意なの〜?」
🔮「はい!ホラーゲームが大好きでモンスターがいるハロウィンなんか最高です!!」
👻「えへへ、この子おもしろーい!僕、ウルって言うんだよ!よろしくね!」
🧛♂️「俺はアル」
🐺「俺はガルだぞ!!ワオーン!!」
🔮「私はクロエ。こっちは愛猫のノワです。よろしくお願いします!」
🖤「にゃ〜」
👻「可愛い!!よしよしよし!」
🖤「ゴロゴロゴロ」
🔮「あっ懐いてますね!」
👻「やったぁ!」
🔮「それじゃあ、みんなでトリックオアトリートしちゃいましょう!」
🐺「ガウッ!お菓子いっぱい貰うぞ〜!!」
🧛♂️「そうだな」
その時、大通りの方から大きなアナウンスが聞こえてきた。
『まもなく、ハロウィン仮装コンテストの受付を締め切りまーす!優勝者には、特大お菓子セットをプレゼント!』
🔮「あっ仮装大会……。いいなぁ」
🧛♂️「仮装大会って何だ?」
🔮「毎年このハロウィンにその人の仮装のクオリティや個性を競い合ったり楽しんだりするイベントのことです」
🐺「ガウッ!楽しそう!参加してみたらどうだ?」
🔮「参加してみたいのは山々なんですが、この大会はグループ参加限定なので、私1人では参加出来ません…」
少しだけ寂しそうに呟くクロエ。それを見たおばけ達は顔を見合せた。
👻「ねえねえ、僕たちと参加するのはどう?」
🔮「えっ?」
🐺「そうだぞ!クロエを1人で寂しがらせるわけにはいかないぞ!」
🧛♂️「退屈しのぎだ。その『仮装大会』とやらに付き合ってやる」
🔮「えっ……!本当にいいんですか!?やったぁ!じゃあ私、先に急いで受付の予約をしてきますね!ここで待っていてください!」
クロエは嬉しそうに、にぎやかな大通りへと走っていった。
👻「アル素直になったら良いのに〜」
🧛♂️「……何がだ?」
👻「退屈しのぎとか言ってることだよ。本当は1番楽しみにしてたのに」
🐺「ガウッ!ガウッ!」
🧛♂️「うるさい」
🔮「急がなきゃ、終わっちゃう!」
クロエが走っていると、横の路地からふらりと顔が真っ赤になった、見るからにお酒に酔った大柄な男性が現れた。
避ける間もなくドスン、と強い衝撃がクロエの小さな体を襲う。
🔮「きゃっ!?」
クロエはコンクリートの地面へと強く突き飛ばされた。
🔮「痛っ……ッ」
手のひらと、右の腕にじわリと熱い痛みが走る。すりむいた袖の隙間から、赤い血がにじみ出ていた。
「ちっ、危ねえな! ガキは家で寝てろ!」
男は謝るどころか逆ギレして怒鳴り散らかし、千鳥足のまま人混みの奥へと消えていった。
🖤「にゃ、にゃーお……!」
🔮「大丈夫だよ、ノワ。……ううん、痛いけど、泣いてる場合じゃないよね。早く予約しなきゃ」
🔮(衣装が破けなくて良かった…)
クロエは涙をグッとこらえ、なんとか仮装大会の受付を済ませた。
予約は無事にできたが、ズキズキと痛む腕を見つめていると、急に悲しさが押し寄せてくる。
🔮「この怪我じゃ、優勝は出来ないかもしれないな…」
🐺「クロエ、遅いな」
ガルが裏路地の壁に背を預け、退屈そうに爪をいじっていると、トコトコとクロエが歩いてきた。だけど、どこか元気がなく、右の腕をそっと庇うように抱えている。
👻「クロエちゃん、遅かったね〜……って、どうしたのその腕!?」
🔮「あ、ウルさん……。ううん、なんでもないの。予約、ちゃんと取れたよ!」
無理やり笑顔を作ったが、アルが音もなくクロエの目の前で跪いて、細い腕をそっと取って近づけた。
🧛♂️「血の匂いが強い…。かすり傷なんてレベルじゃないぞ。誰にやられた?」
クールなアルの瞳が、一瞬だけ、ゾッとするような鮮烈な赤に染まる。
🔮「えっと…さっき酔っ払ってた男の人にぶつかっちゃって…。でも大丈夫、ちょっと痛いだけだから!」
🐺「大丈夫なわけないぞ! 俺たちの可愛い魔女に傷をつけるなんて、許せないぞ!」
ガルがガルル、と低い唸り声を上げ、鋭い牙を剥き出しにした。
👻「クロエちゃん、ちょっとじっとしててね」
ウルが優しく微笑み、怪我をした腕にそっと触れると、ウルの手から淡い光が溢れ出し、クロエの腕の痛みが一瞬で消え去っていった。
🔮「すごい!傷も消えて痛くなくなった!」
👻「えへへ、僕たちおばけだからね、これくらい簡単だよ。クロエちゃんはここで、ノワちゃんと一緒に少し休んでいて?」
🔮「わ、分かった…」
アルは優しく微笑んだが、目はどこか笑っていなかった。
🧛♂️「さてクロエ。その男はどこに行った?」
🔮「え?確かあっちの大通りを歩いて行ったよ」
🧛♂️「ありがとうクロエ」
🔮「3人とも何処に行くの?」
🧛♂️「ちょっと『ハロウィンの正しい過ごし方』を教えてやるんだ。ガル、ウル、行くぞ」
🐺「ガウッ!いたずらの時間だぞー!!」
👻「めいっぱい驚かせちゃおうね!」
3人はそう言うと、あっという間に夜の闇へと溶けるように消えてしまった。
大通りから少し離れた街灯が壊れた路地で、先ほど突き飛ばした酔っ払いの男は壁にもたれかかっていた。
すると突然、冷たい風が男に当たる。
「ヒック……なんだよ、急に寒くなりやがって……」
男が愚痴をこぼしたその瞬間。
「ワオオオオオーーンン!!」
夜の静けさを消し去るように、狼の遠吠えが路地裏中に響き渡る。
「うわあああ!? な、なんだ!?」
男が飛び上がって前を見ると、そこには大人の背丈を遥かに超える巨大な狼男が立っていた。鋭い爪がアスファルトを削り、火花が散る。
🐺「噛み付かせろ!」
「ぎゃぁぁあ!!?」
男は腰を抜かしそうになりながらも早足で逆方向へ逃げた。しかし──
👻「逃げても無駄だよ……?」
「いやぁぁぁあ!!!」
目の前の地面からにょきっと白いおばけが飛び出た。
前後に挟まれてビクビクと震え、完全にパニックに陥る男。すると突然、バサバサバサッと闇の中から大量のコウモリが飛び出してきた。
コウモリが男を取り囲み、冷たい突風が首元をかすめた瞬間。すぐ後ろの耳元で、ぞっとするほど冷徹な声が響いた。
🧛♂️「…血をちょうだい……」
「いやあああああ!!」
男はついに耐えられなくなり、激しく尻もちをついた。
涙と鼻水で顔はぐしゃぐしゃになり、ガタガタと震えた男。その男を囲むように、アルとガルとウルは冷酷な笑みを浮かべて上から見下ろす。そして、三人の声がピタリと重なり、重々しい警告となって響き渡った。
🧛♂️🐺👻「トリックオアトリート。あの子に謝らないと、いたずらしちゃうぞ」
「ひ、ぃいいい! わかりました! 謝ります、謝りますから命だけは助けてぇぇぇぇ!」
🧛♂️「……フッ、なら早く行け。もし少しでも不誠実な態度を見せたら……お前の影を切り裂いて、二度と光の世界へ戻れなくしてやる」
「ひ、ぃいいい! わかりましたぁぁぁ!」
クロエが近くのベンチに座ってノワと遊んでいると、ドタドタと走る足音が聞こえてきた。
「ごめんなさいいいいいい! さっきは突き飛ばして本当に申し訳ありませんでしたぁぁぁ! どうか、お許しくださいぃぃぃ!」
現れたのは酔っ払い男だったが、クロエを見るなりとても怖がって激しく土下座をしていた。
🔮「えっ!?い、良いですけど…顔がすごいことになってますよ?」
男は「ひいいい!」と怯えながら逃げ去った。涙を流していたのだから怖がっていたに違いなかったが、怖がらせた記憶は全くなかった。
🔮「な、何があったんだろう……」
クロエは不思議そうに首を傾げた。クロエの背後にはアル、ガル、ウルがいた。三人は顔を見合わせると、悪巧みが大成功した子供のように、いたずらっぽくニコニコと無邪気に笑い合っているのだった。
『さあ、いよいよ本日最後のエンターテインメント! ハロウィン仮装コンテスト、ラストのエントリーは──「クロエと不思議な仲間たち」だぁー!』
司会者の言葉で会場全体が拍手をする。
クロエは緊張で少し震える手をぎゅっと握りしめ、ライトアップされた大きなステージへと一歩を踏み出した。
🔮「いよいよだね…」
🧛♂️「今更だな。俺達の本当の仮装とやらを見せてやるだけだ」
🔮「3人は仮装じゃないんだけどね」
🔮「みんな……本当に、人間のお客さんの前で仮装のフリをして踊っちゃって大丈夫なのかな?」
🧛♂️「ふん、何を今更。俺たちの美しさと恐怖を、人間どもに刻み込んでやるだけだ」
🐺「ガウッ! 楽しいぞクロエ! 俺、いっぱいかっこいいポーズするからな!」
👻「えへへ、みんな驚いて腰を抜かしちゃうかもねー!」
🖤「にゃ〜お!」
クロエの肩の上で、ノワもやる気満々に尻尾をピンと立てている。
まばゆいスポットライトがステージ中央の四人を照らし出した瞬間、会場から「おおおっ!?」という、地鳴りのようなどよめきが沸き起こった。
『な、なんだこのリアルさは!? ヴァンパイアの漆黒の翼、狼男の圧倒的な毛並み、そして本当に宙に浮いているゴースト……!まるで本物のモンスターだぁー!』
審査員も観客も、身を乗り出して目を丸くしている。本物のおばけなのだからリアルなのは当然なのだが、人間たちはそれを「神がかった特殊メイクと演出」だと思い込んでいる。
アップテンポなハロウィンソングが流れ出す。
クロエはマイペースに、だけど心から楽しそうにステッキを振って可愛い魔女のダンスを披露した。
その周りで、アルはマントを翻して妖艶に佇み、ガルは豪快にバク転を決めて咆哮し、ウルは客席の上をふわふわと飛び回って白い煙のエフェクトを撒き散らす。
観客のボルテージは最高潮に達し、割れんばかりの歓声が夜空に響き渡った。
『文句なしの満場一致! 今年のグランプリは──「クロエと不思議な仲間たち」だ。おめでとうーー!!』
大きなトロフィーと、両手では抱えきれないほどの「特大お菓子セット」を受け取り、クロエたちは大歓声の中でステージを後にした。
🔮「やったぁ……! 優勝しちゃいました! ほら見てください、こんなにたくさんのお菓子!」
👻「わあ、すっごーい! チョコレートにキャンディに、クッキーもいっぱい!」
🐺「ガウガウ! 美味そうだぞ! 早く食べようぜ!」
四人と一匹は、にぎやかな大通りを抜けて、クロエの家の小さな庭へと集まった。
カボチャのランタンの灯りに照らされながら、みんなでお菓子の袋を広げる。最高のパーティーの始まりだ。
🔮「アルさん、これ美味しいですよ。はい、あーん」
🧛♂️「……チッ、甘すぎる。吸血鬼の口に合うか。……いや、悪くないな」
最初はツンとしていたアルも、クロエに勧められると嬉しそうに高級チョコを口に運んでいる。
ガルはクッキーを一口で何枚も頬張り、ウルはキャンディを浮かせてお手玉のようにして遊んでいる。ノワも特製キャットタルトを貰って、ゴロゴロと喉を鳴らしていた。
🔮「ふふ、楽しい……。私、こんなに楽しいハロウィン、生まれて初めてです」
ホラーが大好きで、いつも一人で寂しく過ごしていたハロウィンの夜。
今、目の前には本物の、そして誰よりも優しいおばけたちが笑っている。
いつまでも、この時間が続けばいいのに。
そう思った瞬間、遠くの街の時計塔から、重々しい鐘の音が響き渡った。
静かな夜に響く12時の鐘。 ハロウィンが、終わる。
👻「あ……時間が来ちゃったみたい」
ウルの透き通った体が、さらに淡く、夜空の景色に溶けるように薄くなっていく。
🐺「ガウゥ……楽しい時間はあっという間だな。俺、もっとクロエと遊びたかったぞ……」
ガルのふさふさだった毛並みが、夜風に解けるように消えかけていく。
🔮「みんな……体が……」
寂しさが一気に込み上げてきて、クロエの視界が涙で潤みそうになる。
そんなクロエの前で、アルがそっと静かにひざまずき、彼女の目線に合わせるように見つめてきた。
🧛♂️「泣くな、小さな魔女。俺たちは裏の世界の住人だ。この日が終れば、扉は閉じる」
🔮「うん……わかってる。寂しい、けど……仕方ないんだよね」
クロエはグッと涙をこらえ、満面の笑みを作った。
最後は絶対に笑顔で見送りたかったからだ。
🔮「みんな、本当にありがとう! 傷を治してくれて、一緒にダンスしてくれて……最高のハロウィンだったよ!」
🖤「にゃーお……」
👻「僕たちも楽しかったよー! バイバイ, クロエちゃん!」
🐺「またな、クロエ! お菓子、ちゃんと全部食えよな!」
🧛♂️「フッ……また会おう、勇敢な魔女」
最後に三人が優しく微笑んだ瞬間、パッと光の粒子が舞い上がり、おばけたちの姿は完全に夜の闇へと消え去ってしまった。
そこには、静かな庭と、山盛りの半分になったお菓子の袋だけが残されている。
🔮「……行っちゃったね、ノワ」
🖤「にゃう……」
寂しさはあるけれど、胸の奥はとても温かかった。
クロエはノワをぎゅっと抱きしめ、満月が輝く美しい夜空をそっと見上げる。
🔮「また次のハロウィンで、絶対に会えますように……」
夜風がクロエの魔女帽子を優しく揺らす。
少女の小さな願いを乗せて、不思議で優しいハロウィンの夜が、静かに消えていきクロエは来年まで待ち続ける。
… the end
コメント
1件
「本物のおばけたちと出会って、一緒にハロウィンを楽しむなんて、すごく素敵な世界観ですね…!」特に、初めはツンとしてたアルが、最後にクロエにチョコをあーんされて「悪くないな」って照れるシーン、めちゃくちゃ好きです。酔っぱらいの男への仕返しも、悪意がなくてドキドキする痛快さでした。泣くのをこらえて笑顔で見送ったクロエの強さに、胸がぎゅっとなりました🌷