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6月の雨はしつこい。
放課後の昇降口、俺は傘立ての前で立ち尽くしていた。
「…ない」
朝は確かにあったはずの黒い傘が消えていた。
誰かが間違えて持っていったんだろう。よくあることだ。
図書館で時間を潰す気にもなれず、雨の中を走って帰る覚悟を決めた。
『あれ?セラお、傘忘れたん?』
突然現れたのは雲雀だった。
「いや、忘れてない。なくなっただけ」
『そっか、じゃあ一緒に入る?』
雲雀は自分の傘をパッと広げて、にこっと笑った。
「え…?いや、でも…」
『どうせ方向、途中まで一緒やろ?』
『えいっ、決定〜!』
強引に傘の下に引き込まれた。
密着する俺の肩と雲雀の肩。
近すぎる距離に、俺の心臓がうるさいくらいに騒ぎ出す。
「雲雀…濡れるじゃん…」
『確かにな〜、もうちょっと近づいてほしいかも』
「…バカ」
『バカでも、セラおのことが好きやから仕方ないね』
好き、と言われて俺は顔を伏せた。
俺の耳には、雨音より心臓の音の方が大きく響いていた。
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帰りの途中。
信号で立ち止まったとき、雲雀がふいに聞いてきた。
『なぁ、俺と付き合ってみらん?』
「…え?」
『俺、セラおのことちゃんと好き』
『最初はただ気になるくらいやったけど、毎日見てるうちに目が離せんくなった』
信号が青に変わっても、俺は動けなかった。
「…ほんとに?」
『うん。俺、嘘付かんよ』
俺はゆっくりと頷いた。
「…じゃあ、うん。」
「付き合ってみても…いいよ」
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次の日の朝、俺は新品の傘を持って登校した。
雲雀が『俺の傘いらないじゃん!』と拗ねた顔をしたのが、ちょっとだけ可愛くて、思わず笑ってしまった。
梅雨はまだ続くけど、傘の中にはずっと2人の世界が広がっていた。
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季節外れですみませんん…
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