テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
⸻
第10話
檻に入れたのは――“生徒”じゃなかった
警報が、学園全域に鳴り響いた。
――――――
《外部結界、第二層突破》
《防衛結界、再展開不能》
――――――
ざわめきが、悲鳴に変わる。
「なに!?結界が破られた!?」
「嘘でしょ、学園よ!?」
空が、歪んだ。
雲が裂けるように割れ、
その向こうから――異質な魔力が流れ込んでくる。
「来たか」
中央塔の前。
レオンは立ち止まり、空を見上げた。
(この規模……
“確認”じゃない。“回収”だな)
その瞬間。
学園中央に、巨大な魔法陣が展開された。
黒と金が混ざり合った紋様。
学園の魔法体系とは、明らかに異なる。
「――対象、確認」
低い声が、空間そのものを震わせる。
魔法陣の中心から現れたのは、
複数の黒装束の魔導士。
「レオン・クロウ。
貴様は“観測対象”から――危険指定個体へと格上げされた」
生徒たちが、凍りつく。
「な、なに……?」
「レオンが……危険?」
教師たちが前に出る。
「下がれ!生徒を守れ!!」
だが――
黒装束の一人が、指を鳴らした。
次の瞬間、
防衛魔法が沈黙した。
「……っ!?」
「魔法が……使えない!?」
学園全体が、
“封じられた”。
(学園を守るための結界が、
逆に檻になってる)
その事実を、理解したのは――
レオンだけだった。
⸻
「レオン・クロウ」
黒装束が、淡々と言う。
「抵抗は推奨しない。
学園ごと消去する許可は、すでに下りている」
その言葉に――
レオンの目が、初めて揺れた。
「……今、なんて言った?」
空気が、軋む。
「君一人のために、
この学園を“巻き添え”にすることも可能だ」
その瞬間。
背後で、泣き声が聞こえた。
「や……やだ……」
震える声。
一年生の少女が、地面に座り込んでいる。
「帰りたい……」
レオンは、ゆっくりと拳を握った。
(――ああ、なるほど)
学園が自分を檻に入れようとした。
外部は、学園ごと壊そうとしている。
(……選択肢は、一つだ)
レオンは、一歩前に出た。
「学園から――離れろ」
黒装束が、笑う。
「拒否する」
次の瞬間。
黒い魔力が、暴風のように渦巻いた。
――だが。
「――再配置」
たった一言。
世界が、ズレた。
黒装束たちの足元から、
魔法陣が“存在しなかったこと”になる。
攻撃魔法は、発動前に消失。
魔力は、行き場を失い――
静寂。
誰一人、動けなかった。
「……な、何をした……?」
レオンは、振り返らない。
「言ったはずだ」
低く、確かな声。
「今は、学園を壊す気はない」
そして、初めて――
誰かを守るために、力を使った。
「だから――
俺が、外に出る」
学園中が、息を呑む。
その背中を、アークが見ていた。
(……檻に入れたのは、生徒じゃない)
(“神”を、刺激しただけだ)
レオンは、結界の外へと歩き出す。
嵐の中心へ。
――ここから先、
もう“隠していられる段階”ではなかった。
⸻
今日日はここまで!!続きは明日のお楽しみです!!
フォロー,いいね,コメントお願いします!!🙏