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どうも皆様、サカナです

今回こそは間に合わせたかった…(´・ω・`)

8月は頑張ります

オランダさんといえば江戸さんですよね

風邪ひいて寝込む蘭さんに色々してあげる江戸さんのお話です



















ある時、江戸の元へ電話が一つ。

江戸「なに?オランダのやつが風邪だと?」

ルクセン『そうなんです…珍しく風邪引いたかと思えば、いつになくメソメソしてて…やだやだ江戸に会いたい〜ってわがままいうの で、なんとか来てくれませんか…?』

内容は上記の通りなのだが、江戸は即OKを出した。

いつもからかってくるオランダがメソメソして、更には自分に会いたがっているという。

こんな面白いことに手を出さないわけがないので、江戸は即刻準備を整えて外出した。

風邪を移される可能性もあるので、きちんとマスクも持って。



ピンポーンと明るいチャイムを鳴らし、もはや見慣れた屋敷の前へ立つ江戸。

江戸「弱り切ったそのツラ、拝んでやるわ」

きっちり果物や飲み物を用意しておきながら、そんなことを呟いている。

ガチャッ

ルクセン「あ、早いですね江戸さん。わざわざすみません…」

江戸「そんなに畏まるのはやめてくれ。わしはあいつの弱った姿を見に来ただけだからな」

ルクセン「ふふ、そうでしたか。では中へどうぞ」

手に持ったお見舞い品には触れず、ただ微笑ましそうに家の中へ招いた。


ルクセン「兄さんの部屋は…」

江戸「知っておる。お前さんは妹とここでゆっくりしてな」

ルクセン「助かります。風邪薬なんかは兄さんの部屋に置いていますが、必要なものがあれば僕かベルギーに声をかけてくださいね」

江戸「わかった。それじゃあ、ちょっくらあいつの様子を見てきてやるわ」

にっと笑った江戸はルクセンブルクの横を通り、階段を登ってオランダの部屋へと向かう。

人のことは言えないが、このだだっ広い屋敷は迷子になりそうだ。









江戸「ここだな。オランダ!入るぞ!」

雑に木の扉を叩き、江戸はその扉を開ける。


扉を開けた先には、ベッドに横たわるオランダがしくしく泣いていた。

オランダ「ぅ〜…えどぉ…?」

江戸「はん、随分情けないことになってるじゃないか」

オランダ「えど〜〜…熱苦しい〜…たすけてぇ〜…」

江戸「ったく…黙ってそのまま寝ていろ、そのうち治る」

優しく頭を撫でてやると、かなりの高熱が出ていることがわかる。

オランダ「…もうちょっと、なでろ」

江戸「はいはい」

オランダ「江戸の手、ひんやりしてるな…」

江戸「今のお前さんからすりゃ、どんなやつでもひんやりだろうよ」

オランダ「ん…ねむい…」

江戸「寝とけ。寝りゃ治る」

オランダ「おれがねても、かえるなよ…」

お望みの通り熱い頭を撫で続けていると、そんな言葉を残してオランダは眠った。

涙は止まり比較的安らかに眠れているようだが、やはり苦しいのか呼吸が荒い。

江戸はぽんぽんと頭を撫でて手を放し、近くに置いてある丸椅子に座りながら、持ち歩いている短刀で果物の皮を剥き始めた。





オランダ「んん…ぅん…」

江戸「ん?ようやく起きたか?」

オランダ「えど…?」

江戸「そうだ。江戸幕府様だぞ」

数時間後、オランダはゆっくりと瞼を開けて、りんごをうさぎにしている江戸の姿を目撃する。

オランダ「それ、りんご?」

江戸「そうだぞ。中々上手くできたわ、食うか?」

オランダ「食べる…」

楊枝を可愛らしいうさぎりんごに刺し、小さく開いたオランダの口へ運ぶ。

オランダは差し出されたりんごをしゃりしゃりと噛み、痛む喉にも優しいそれを飲み込んだ。

そして一口では食べられなかった分のりんごをかじってゆき、やがてうさぎりんごが1匹減った。

江戸「美味いか?」

オランダ「うん…もう一個ちょーだい」

江戸「ほらよ、これ食べて元気出せ」

寝る前は何も食べる気が起きなかったのに、ほのかに甘いりんごを食べていると食欲が湧いてくる。

空っぽの胃がもっとと言って、オランダは空腹感を感じ始めた。

オランダ「…お腹すいた」

江戸「じゃあ少し待ってろ。お粥でも作ってきてやるから」

オランダ「ん、待ってる…」

江戸「自分で飲めそうだったら、机に置いてある薬を飲んでおけよ」

オランダ「はぁい…」

熱も下がったらしく、幾分か楽になったオランダはゆっくり起き上がり、江戸が出ていった後に薬を飲み水で流し込んだ。





十数分後、オランダの部屋に江戸が戻ってきた。

オランダはベッドで自分でうさぎりんごを食べている。

江戸「ほら、出来立てだぞ」

オランダ「ありがと…」

江戸「懐かしいなぁ…これ、日帝にもよく作っていたんだ」

ベッドに腰掛けた江戸は、お粥から立つ湯気ふーっと飛ばしてオランダに食べさせた。

食べやすいように味は薄く、微かに感じる程度の塩気がとても美味しい。

江戸「どうだ?」

オランダ「これ、ものすごく美味しい…!」

江戸「そりゃよかった。熱いから火傷しないようにな?」

くくっ、と楽しそうに笑う江戸はオランダにお粥の器とスプーンを渡し、丸椅子へと戻る。

受け取ったオランダは熱そうにしながらも、食べる手を一切止めない。

高熱で赤くなった頬を膨らませて、少しずつ食べて進めていった。

江戸「元気になったようで何より。薬も飲んでいるようだし、後はあったかくしてゆっくり寝れば、明日には治ってるだろ」

オランダ「ほんとありがとな、江戸。おかげで熱も下がったっぽい。もう大丈夫だ!」

江戸「下がったとはいえ、熱なんかすーぐ上がる。それ食べたら大人しく寝るんだぞ」

オランダ「わかった!」

どんどん減っていくお粥は見ていて気持ちの良いくらいで、その様はオランダが元気になったという何よりの証拠。

江戸は安堵から破顔し、うさぎりんごを一匹減らすのだった。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

4

ユーザー

オランダと江戸、…かわいい…!!あと、小説書くのうますぎやしませんか???素晴らしい作品をありがとう御座います…!!

ユーザー

オランダと江戸も良いですね〜… 日帝が風邪引いた時に江戸がお粥食べさせて、日本が風邪引いた時に日帝がお粥食べさせてたら更に萌える🫶🫰💞

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