フィッシャーズBL
マサイside
いつも通りの日だった。撮影を終え、家へとを足を運んでいた。すると…目の前を紫の何かが通り過ぎて行った
「あれ?今の…ぺけ?」
俺は一瞬でそう思った。すれ違い際にふわりと香っていたシャンプーの香り、すらっとした細い指、そして俺と全く同じ高さの背、俺が愛していたぺけ。本当は今すぐにでもあいつに 話しかけたい。でもきっと俺はあいつに話しかけたら…顔を見たら…もう離してやれなくなる…
そう確信していたから…
それから少しして俺はYouTubeである
チャンネルのサムネが目に入った。
「これって…やっぱりぺけだよな?」
思わず俺は動画を再生する。
すると流れたのは久しぶりに聞く大好きな
あいつの歌声…
「っ…本当にいい声してんな…ぺけは…」
思わずそう言うと俺は無意識にYouTubeを
閉じあいつに電話をかけていた。
「もしもし?」
「もしもし?マサイ?珍しいね?
どうしたの?」
するとあいつは昔と変わらない声で
俺の名前を呼んだ。
「あのさ、ぺけさ、歌の活動始めただろ?」
「あぁ、うん。やっぱり俺、歌なしじゃ生きていけないみたいでさ?」
電話口でそう言い軽く笑う ぺけに 俺は
こう言った
「ははっ、なるほどな~ぺけらしいな? 」
「そうかな?」
「おう。あのさぺけ…」
「ん?何?マサイ?」
俺は言ってはいけないそう思っていた
ものの 口を開いた。
「今度会えないか?」
「え?あぁ、俺夜は夜勤の仕事してるけど、
昼だったら全然会えるよ?」
「ほんとか?」
「うん、マサイの方はいつだったら
空いてる?」
「俺の方?う~ん、いつでも会いに行けない事は無いぞ?」
「えぇ?じゃあ、明後日は?」
「明後日?全然いけるけど?」
「ん、分かった。じゃあ明後日の昼
どこに行けばいい?」
「じゃあ、いつもの河川敷で!」
「ん、了解!」
「じゃあ明後日な?」
「は~い!」
そしてそう元気にペけは返事をすると
電話が切れた。
「はぁ、、言っちゃったな…どうしよう…」
我慢がきかずにぺけに会いたいと言った。
離せなくなると分かってるのに。