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阿部が、目黒を気にし始めて、それが「好き」と気づくのに時間はかからなかった。阿部は、自分の気持ちに封印をした。間違っている。報われない。
だが、ついつい、見てしまう。
ある日、目黒が阿部に言う。
目黒ー何か見られてる気がするけど、どういうこと?
阿部ー気のせいじゃない?
目黒ーん〜。
阿部ーめめを見て何になる?
目黒ー俺が聞いてるの。
呆れた顔をして、目黒が言う。言葉の言い方に、優しさのかけらもない。
阿部ーごめんね、嫌な思いしたなら。
目黒ー阿部ちゃんって、そっちの人?
阿部ーいや、違うけど。
目黒ーふ〜ん。
阿部ーじゃ。
下を向いて歩くと渡辺にぶつかってしまった。
渡辺が阿部にごめんと言うと、目黒が走ってきた。
目黒ー翔太くん。なんともない?
渡辺ー大丈夫。阿部、ごめんな。
阿部ーこっちこそ、ちゃんと見てなくてごめん。
目黒ー2人とも、気をつけて。
渡辺ーん。
阿部は走ってその場を離れた。
分かってしまった。目黒は渡辺と付き合っている。
渡辺の名前を呼び、心配していた。
阿部なんか目に入っていなかった。
阿部ー翔太かぁ、可愛いもんな。
告白なんて考えてなかったけど、もう失恋した気分だ。
渡辺は目黒とラウールとよくいる。
高身長に挟まれた渡辺は可愛くて、阿部は羨ましいと思う。
色んな思いを抱えながら半年が過ぎた。阿部はまだ、時々、目黒を見る。半年、目黒と渡辺の仲の良さを嫌というほど見てきた。
目黒が渡辺を自宅に誘うのも、聞いていた。
目黒ー翔太くん、次、いつ来る?
目黒ー美味しい海鮮が手に入ったから。
目黒ー映画行こうね。
阿部は、2人を見れなくていつも背中で聞いていた。
時々、ラウールも交えて楽しそうに話をしている。