テラーノベル
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崩れた笑み
部屋は静かだった。
さっきまで張りつめていた空気が、少しだけ緩んでいる。
👁️🗨️は床に座ったまま、ゆっくりと顔を上げた。
呼吸はまだ完全には戻っていない。
それでも——
ふっと、笑った。
「……はは。」
小さな笑い。
でもそれは楽しい笑いじゃない。
力が抜けたみたいな、壊れかけた笑い。
「なんか……」
「おかしいですね……」
声がかすれる。
笑いが少し続く。
止めようとしているのに、止まらない。
Ი𐑼はその場から動かない。
いつも通り。
表情は一切変わらない。
ただ、静かに見ている。
「👁️🗨️。」
短く呼ぶ。
笑いの中で、👁️🗨️が少しだけ視線を向ける。
「はい……」
声はまだ揺れている。
「それは正常だ。」
一拍。
「戻ってきているだけだ。」
否定もしない。
止めもしない。
ただ“状態”として扱う。
👁️🗨️は少し息を吸う。
「……戻るって、こういう感じなんですね……」
笑いがゆっくり弱くなっていく。
Ი𐑼は短く言う。
「そうだ。」
「崩れたあとには、揺れる。」
「それを止めるな。」
👁️🗨️は目を閉じる。
少しだけ肩の力が抜ける。
笑いはもうほとんど消えている。
代わりに、静かな疲れだけが残る。
「……疲れました。」
その言葉に、Ი𐑼は即答する。
「当然だ。」
「今日はここまででいい。」
部屋はまた静かになる。
でも今度の静けさは、さっきとは違う。
“落ち着いたあと”の静けさだった。
コメント
1件
かほさん、第37話読みました。 このエピソード、静かなのにすごく心臓の音が聞こえてきそうな回でしたね。「崩れたあとには、揺れる。それを止めるな」というᲘ𐑼の台詞、まるで壊れた機械を直すんじゃなくて、一度バラバラにするプロセスを認めてるみたいで、その距離感がすごく好きです。👁️🗨️の「戻るってこういう感じなんですね」がぼんやりとした実感として響きました。続きが気になります。